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NBA

低迷必至だったジャズの開幕ダッシュはなぜ実現したか?立役者マルッカネンを指揮官、同僚が称賛<DUNKSHOOT>

小川由紀子

2022.10.29

 この5試合でマルッカネンの出場時間が最も短かかった4戦目のヒューストン・ロケッツ戦で、ジャズが今季初黒星を喫したのは偶然かもしれないが、彼がすでに新チームの勝敗を左右する存在となっているのは間違いない。

 マルッカネンの持ち味は、コートの両サイドで、どんな動きでもやってのけるという多才さにある。

 先述したユーロバスケットでは、スロベニアのルカ・ドンチッチ(ダラス・マーベリックス)やギリシャのヤニス・アテトクンボ(ミルウォーキー・バックス)も40得点超えのスーパープレーを披露したが、彼らとマルッカネンには明確な違いがあった。前者2人は、個人技を駆使することでチームを劣勢から救う働きをしていたのに対し、マルッカネンはむしろ周りを動かす黒子的な役割を果たすなかで、自らも数字も叩き出していた。

 ジャズへのトレードが決まったのは、ユーロバスケットが始まった頃だから、世界がまだ彼のそんな超絶パフォーマンスを目にする前だった。そしてオールラウンダーを必要としていたジャズの構想にハマる人材であることを、彼はこの大会で証明していたのだ。
 
 ハーディーHCも、開幕からのマルッカネンの好パフォーマンスについて「夏の経験に上積みしたもの」だとコメントしている。

「彼のパフォーマンスは非常に素晴らしかった。彼の多才さは貴重だ。我々は毎晩、彼に『フロアの両サイドでいろいろなことをやってくれ』とお願いすることになるだろう。彼はウィングの選手から(ニコラ)ヨキッチまでガードするなど、なんでもやってのける。ピック&ロールもこなせば、スクリーンもセットする。スペースを作る動きもできる。コーチとして、あのレベルの多才さを持つ選手を持てるというのは、非常に贅沢なことだよ」

 チームメイトたちも、すでにそれを実感している。

 前述したペリカンズ戦後、スターティングガードのマイク・コンリーが第3クォーターのカウンター攻撃の場面を振り返り「彼が猛烈にダッシュしたから、俺もスピードアップしたんだ。そしたら彼がスピードを緩めて、俺にパスを出してくれた」とマルッカネンの走り出しに敬意を表していた。
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