ウィザーズ一筋、在籍11年目のエーススコアラーはなかなか思うようにいかない現状についてこう漏らしていた。

「辛いね。僕はいつも自分に説き伏せているんだ。『お前のベストな能力は常に出場可能でいることだ』ってね。でも今の僕はそれができていない。その点で間違いなくイライラしている。けど僕は自分を励まし続けなきゃいけないし、もっと試合に貢献できることがあるんだと理解し、チームメイトたちに寄り添い、100％になって戻ってこなきゃいけない」
  　４日終了時点でイースタン・カンファレンス11位のウィザーズだが、プレーイン・トーナメント進出の最終枠にいるシカゴ・ブルズ（17勝21敗／勝率44.7％）とは0.5ゲーム差。ポストシーズンへの道はまだ閉ざされておらず、ここ８試合では６勝と浮上の兆しを見せている。

「チームがいいバスケットボールをしていただけに辛い。僕はその一部になりたい。チームの勝利、それにこの勢いを構築し続けていく助けになりたいんだ」と苦しい胸の内を明かしたビール。ハムストリングの故障は、長引けば数か月の離脱をも引き起こすだけに、焦りは禁物。しばらくは回復に専念し、万全の状態で戻ってくることが今後の巻き返しには不可欠だ。

文●秋山裕之（フリーライター）