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NBA

NBAドラフト1位指名最右翼のウェンバンヤマ。フランス元首相やオスカー俳優が観戦に訪れる社会現象に<DUNKSHOOT>

小川由紀子

2023.01.07

規格外のサイズを武器に母国フランスを席巻。年末のオールスターでは最年少でMVPに輝いた。(C)Getty Images

規格外のサイズを武器に母国フランスを席巻。年末のオールスターでは最年少でMVPに輝いた。(C)Getty Images

 12月29日には、フランスバスケ界の年末の風物詩であるオールスターゲームに初出場した。3ポイントコンテストでは25投中11本成功で最下位に終わったが、フランス人チームと外国籍選手チームが対決する本戦では27得点、12リバウンド、4アシスト、3スティール、3ブロックという圧巻の数字を叩き出して136-128での勝利に貢献。大会MVPにも選ばれ、評判通りの存在感を見せつけた。

 リーグでは現在、モナコに次いで2位につけているメッツだが、ウェンバンヤマは得点(22.9)、リバウンド(9.6)、ブロック(3.0)の3部門でリーグ首位に立っている。

 ちなみに、アシスト(7.5)と スティール(2.1)でトップに立つのは、NBAのレジェンド、ジョン・ストックトンの次男マイケル・ストックトンだ。今オフに名門ポー・オルテズに加入したストックトンとウェンバンヤマの2人で、主要5部門を独占している。

 9月に計測したら身長が221cmになっていたというウェンバンヤマは、体力を維持するために1日5回食事を摂り、自分で料理も楽しみつつ、オフには身体を休めることを徹底している。
 
 夕食の時間になるとスマートフォンは片付けて、よほど重要な連絡が入った時以外は一切触らず、時間があれば読書をしたり、趣味のデッサンをして過ごしているという。今ハマっている本は、ロビン・ホブの『ファーシーアの一族』シリーズとジョージ・R・R・マーティン著のファンタジー小説『ゲーム・オブ・スローンズ』らしい。

 ウェンバンヤマにとって、「今年のドラフトで1位指名を受ける」ということは、大・中・小といくつかに分けて描いている、彼の未来のプロジェクトのひとつだ。もっとも、「ここでプレーしたい」と心に留めているクラブはないと、『ル・パリジャン』紙に語っている。

 1位指名権を狙って、一部のNBA チームはタンキング(※ドラフト上位指名権を得るため、シーズンでわざと下位に沈もうとする行為)を行なうのではとも噂されているが、「おかしな戦略だと思う。NBAが僕に対応すべくルールを一部変更することを検討したとも聞いているけれど、自分は気にしないようにしている」と冷静なウェンバンヤマ。残る数か月は、メッツでの活動に集中することを誓っている。

 今年6月、いったいどこのフランチャイズが彼の交渉権を獲得するのか、世界中のバスケファンが注目している。そしてドラフトまでの約半年間、フランスでの“ウェンビー熱”は、ますます加熱していきそうだ。

文●小川由紀子
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