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NBA

かつての“神童”ルビオが、380日ぶり復帰の喜びを語る「やっと大好きなスポーツをプレーできる」<DUNKSHOOT>

小川由紀子

2023.01.15

「正直、ルビオのようなスピリットを持った男にはこれまで会ったことがないように思う。彼は極めてユニークな存在だ。彼には利己主義のかけらもない。彼のすることはすべて、他人を助けるためだけになされているんだ」

 キャブズのJB・ ビッカースタッフHC(ヘッドコーチ)のコメントからは、ルビオが肉体的にも精神的にも辛い状況下でひたむきに復活に励んでいた姿が浮かび上がる。

 少年時代から、欧州のバスケ界で「超現象」と言われ注目の的だったルビオ。そのフィーバーぶりは、スロベニアの“神童”ルカ・ドンチッチ(ダラス・マーベリックス)が出現した頃とも比べ物にならないほどだった。

 しかしバルセロナ郊外の小さな町で生まれ育った彼自身は、どんなに周りが騒ごうとも、バスケ少年のまま少しも変わらず、「スター」という称号が似つかない地味で堅実な姿勢を貫いている。そんな姿も、ファンの心をとらえてやまない要因のひとつだ。
 
 スペインではさっそく、2019年のワールドカップで主将としてチームを世界一に導いたルビオの、今夏の同大会(日本を含むアジア3か国共催)への復帰が話題となっている。一方で来年にパリ五輪を控えていることもあり、体調管理を優先させて今回はスキップするのではという声も大きい。

 キャブズのフロントには、スペイン代表の大先輩で同国のレジェンドであるホセ・カルデロンがいるため、ルビオにとって最適な方法が探られることだろう。

「今日復帰するためだけに頑張ってきたわけじゃない。復帰するだけじゃなく、ここからしっかりとしたシーズンを送りたい。(ケガをしてからは)フラストレーションの日々だったけれど、やっとバスケットボールを、大好きなスポーツをプレーできるようになった」

 本人の言葉通り、スペインのかつての“神童”がようやく、一番似合う場所に帰ってきた。

文●小川由紀子
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