34歳ながら、ウエストブルックのボールプッシュやドライブは依然として脅威であり、レイアップや強烈なダンクが決まればムードは一変、そこからキックアウトでは味方のイージーバスケットも演出してしまう。

　その一方で、３ポイント成功率は28.6％と低確率。プルアップジャンパーも成功率35.1％に過ぎず、ウォリアーズとしてはドライブとそこから生まれるアシストを警戒したからこそ、今回のような３ポイントラインでワイドオープンなディフェンスを仕掛けるに至ったと言えるだろう。

　グリーンは試合後に「今夜はゲームプランが上手くいったのさ」と、してやったりの様子で語っていた。
  「俺たちはラスへショットをミスさせようとした。そういうゲームプランにすると、誰もがラスのジャンプショットについてジャッジするだろう。だがあれはメンタル面でもタフにさせるんだ。ショットよりもメンタル面に効いてくると思うね。

　あれで考えさせられるんだ。どのプレーでもオープンになるからな。彼はバスケットボールを教わったのさ。『オープンになったら、ショットを打つんだ』とね。だが、どの場面でもオープンになると、自分自身に疑問を抱き始めるんだ。その点で、俺たちは上手く遂行できたと思ったね」

　戦術が見事に奏功し、５連勝を飾ったウォリアーズ。このままプレーオフへ向けて調子を上げていきたいところだ。

文●秋山裕之（フリーライター）

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