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NBA

「もう一度オールスターレベルでプレーできる」“絶頂”から“底辺”まで味わったアイザイア・トーマスは完全復活できるか?

ダンクシュート編集部

2019.12.06

セルティックス時代の2016-17シーズンにはリーグ3位の平均28.9点をあげ、チームをカンファレンス1位に導く原動力に。MVP投票では5位に入りスーパースターの仲間入りを果たした。(C)Getty Images

セルティックス時代の2016-17シーズンにはリーグ3位の平均28.9点をあげ、チームをカンファレンス1位に導く原動力に。MVP投票では5位に入りスーパースターの仲間入りを果たした。(C)Getty Images

 そして、2016-17シーズンはいまだにトーマスにとってキャリアのピークだ。リーグ3位の平均28.9点、5.9アシスト、加えて第4クォーターでリーグトップの平均10点以上を記録し、「Mr.Fourth Quarter」(第4クォーターの男)の異名を取った。チームをイースタン・カンファレンスの第1シードに導くと、シカゴ・ブルズと対戦したファーストラウンド初戦では、試合前日に妹のチャイナさんを交通事故で亡くしながら33得点。さらにカンファレンス準決勝では臀部の痛みを抱えながらウィザーズ相手に1試合53得点も叩き出すなど、“有能なスコアリングガード”から“真のスーパースター”へと上り詰めた。

 しかし――。2017年にカイリー・アービング(現ブルックリン・ネッツ)とのトレードでキャバリアーズへ移籍すると“転落人生”が待ち受けていた。股関節のケガでシーズン前半戦の大半を欠場。2018年1月に約7か月ぶりに復帰したが、レブロン・ジェームズ(現レイカーズ)主体のチーム作りのため、シーズン途中でレイカーズへ放出される。昨季はベテラン最低保証でデンバー・ナゲッツと契約するも、厚い選手層に阻まれてキャリア最低の平均8.1点、1.9アシスト。キャリア8年目でどん底を味わったのは記憶に新しい。
 
 夏にシェイプアップして臨んだ今季は、年俸232万ドル(約2億5000万円)の1年契約でウィザーズに辿り着いた。左手親指の手術により開幕こそ出遅れるも、ベンチスタートからの“試運転”を経てスターティング・ポイントガードの役割を任されている。平均12.6点、5.1アシストは全盛期には及ばず、股関節の軟骨損傷や関節炎の影響もあり課題の守備難(ディフェンシブ・レーティング:121.4)は大量失点の一因になっているとはいえ、まだNBAでプレーできることを証明していると言っていい。

 11月下旬、トーマスは「NBA TV」のインタビューで“完全復活”を誓っている。

「多くの人々が、俺を(選手として)頭数に入れるのをやめた。特に、直近の2年間はね。でも、俺は準備ができているし、チャンスを与えられたことも理解している。俺はもう一度オールスターレベルでプレーできる。約束するよ。もう一度オールNBAに値する選手になるつもりだ」

 苦戦の続くウィザーズを救うのは簡単なミッションではない。それでも、175cmの小さな身体で大男たちを翻弄し、シーズンMVP候補になるなど“不可能”を“可能”に変えてきたトーマスなら、エースのブラッドリー・ビール、日本期待の星である八村とともに、最後まで戦い抜いてくれるはずだ。

構成●ダンクシュート編集部
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