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NBA

レブロンが「野獣」と絶賛!ヨキッチのクリエイティビティな才能を育んだのは、幼少時代の“型にはめない”環境<DUNKSHOOT>

小川由紀子

2023.05.25

 頭脳プレー、クリエイティビティ、そしてコートビジョン……。毎日コーラを2リットルも飲み、ぽっちゃり体型だった少年時代のヨキッチについて、当時のコーチたちが「これだけは」と評価していたのが、そうしたアスレティック以外の面だった。

 優秀な選手はハイスクール時代には世界中のレーダーに感知される昨今のバスケットボール界において、ヨキッチは特別に注目を集めることはなかった。18歳になる直前に慧眼で知られる欧州屈指の辣腕エージェントに発掘されるまでは、セルビアの第2の都市でプレーする、ほぼ無名の学生プレーヤーだった。

 そして本人も、将来的にプロのバスケットボール選手を目指そうなどとは思っておらず、ポジションの型にはめられることなく、実に伸び伸びと、好きなようにプレーしていたという。
 
 スロベニアの“神童”と評判だったルカ・ドンチッチ(ダラス・マーベリックス)は、13歳からレアル・マドリーの下部組織で育成され、早くからプロチームの中で経験を積むことで成長を遂げたが、もしもヨキッチが同じように強豪クラブに入り、若くしてシニアチームに混ざる道を歩んでいたら、試合に勝つために必要なプレーや役割をより明確に叩き込まれ、持ち前のクリエイティビティは今ほど花開かなかったかもしれない。

 しかし幸か不幸か、野放し状態で育ったことが、ポジションレスで汎用性の高い現在のヨキッチのプレースタイルを育んだ。

 そしてそれは、NBAで通用するどころか、2年連続でシーズンMVPに輝き、レブロンも認めるほどの突出した才能となった。

 ひょっとして彼の真価に一番驚いているのは、2014年のドラフト2巡目41位で彼を指名したナゲッツかもしれない。

文●小川由紀子
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