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NBA

35歳で亡くなった父のレガシーを引き継ぐライアン・ルパート。ウェンバンヤマとともにフランスの次代を担う19歳<DUNKSHOOT>

小川由紀子

2023.06.11

 オーストラリア代表のイメージからも想像つくように、NBLはフィジカルが激しいことで知られ、先述のジェンは、その部分を鍛えることを目的にNBA挑戦前にこのリーグで研鑽することを選んでいた。

 しかし身長200cmでウィングスパンが218cmのルパートはディフェンスの意識が高く、ボールハンドリングや、対人ディフェンス時の身のこなしも巧み。ダンクでもレイアップでも、至近距離からシュートを打つ時には、群がる相手に対し、長い腕をうまく使いこなしている印象だ。

 シーズン途中に手首をケガしてプレーできない期間もあったが、その間にも休まず練習場に通い、フィジカルトレーニングに取り組んでいた勤勉さも、ブレイカーズの関係者から高く評価されている。

 今季のブレイカーズは7年ぶりにファイナルに進出し、2勝3敗でシドニー・キングスに敗れて準優勝に終わった。プレーオフに入ってからは、モディ・マオールHC(ヘッドコーチ)はベテラン勢の起用を優先したため、ルパートのプレータイムは減少したが、タスマニア・ジャックジャンパーズとのセミファイナル第1戦はスターターとして23分間の出場で10得点、5リバウンド、2アシストをあげ、88-68の勝利に貢献した。
 
 その後ベンチ要員とはいえ、シリーズ最終戦までもつれこんだファイナルを戦ったことは貴重な経験となったことだろう。

 彼の父ティエリーは、ライアンが8歳の時に心臓発作で倒れ、35歳の若さで帰らぬ人となった。

 彼と姉のイリアナは、ライアン曰く「ルパート家のレガシーを受け継ぐため」父がつけていた12番を背負ってプレーしている。若くして苦難を経験した彼の精神的な強さは、大きなプラス要素だ。

 モックドラフトでは、1巡目の中盤以降で、インディアナ・ペイサーズやゴールデンステイト・ウォリアーズ、ブルックリン・ネッツといった球団の名前が指名候補として挙がっている。

 ウェンバンヤマ、クリバリとともにフランスの新世代を担う新星が、何位で指名されるのか注目だ。

文●小川由紀子
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