専門5誌オリジナル情報満載のスポーツ総合サイト

  • サッカーダイジェスト
  • WORLD SOCCER DIGEST
  • スマッシュ
  • DUNK SHOT
  • Slugger
バスケW杯

アメリカ代表マネージング・ディレクターのヒルがエンビード勧誘の事実を明かす「どういう結果になるかはいずれわかるさ」<DUNKSHOOT>

秋山裕之

2023.07.28

 もっとも、先のヒルのコメントのように、エンビードはフランス国籍だけでなく、アメリカ国籍も取得している。生まれ育ったカメルーンでは代表として国際大会の出場経験がなく、フランスとアメリカのどちらで国際大会に足を踏み入れるかを決めかねているというのが現状だ。

 今夏のW杯で、アメリカ代表には208cmのジャレン・ジャクソンJr.(メンフィス・グリズリーズ)、213cmのウォーカー・ケスラー(ユタ・ジャズ)、211cmのボビー・ポーティス(ミルウォーキー・バックス)、そしてイタリアとアメリカの2つの国籍を持ち、アメリカ代表入りを決めた208cmのパオロ・バンケロ(オーランド・マジック)という4人のビッグマンがいる。

 さらに先日発表された、練習相手としてトレーニングキャンプへ参加するセレクトチームには、211cmのジェイレン・デューレン(デトロイト・ピストンズ)、206cmのナズ・リード(ウルブズ)、208cmのエリック・ミカ(Gリーグ・イグナイト)、216cmのチェット・ホルムグレン(オクラホマシティ・サンダー)といった若手ビッグマンが名を連ねた。
 
 だが今大会からアメリカ代表を率いるスティーブ・カーHC(ウォリアーズ)とヒルは、今後の国際大会を勝ち抜くためにはビッグマンのアップグレードが必要だと考えているのだろう。

 その不安を払拭する救世主として、エンビード以上の存在はいないだろう。今季NBA8年目を迎える29歳は現在、リーグでもベストプレーヤーのひとりで、外国籍選手として史上初の得点王に輝いたビッグマンだからだ。昨季はリーグトップの平均33.1点に10.2リバウンド、4.2アシスト、1.00スティール、1.70ブロックを叩き出し、自身初のMVPに輝いている。

 圧倒的な得点力に加え、リムプロテクターとしても抜群の存在感を放ち、攻守両面で支配力を発揮する唯一無二の存在だけに、来夏に向けた“エンビード争奪戦”はこれからさらに過熱していくことになりそうだ。

文●秋山裕之(フリーライター)
NEXT
PAGE

RECOMMENDオススメ情報

MAGAZINE雑誌最新号