殿堂入り式典のスピーチは、その会場にいる人たちはもちろん、画面越しで見守る世界中のファンが一斉に注目し、これから先もずっと記録として残り続ける晴れ舞台だけに、話す側からすれば緊張するのも無理はない。

「家族や友人たちが世界中からやってくる。誰だってこの機会を逃したくないからね。私としても非常に大きなことなんだ。この数日間で、私たちは思う存分楽しむことにするよ」とノビツキー。

　プレゼンターを務めるのは、元チームメイトで今も交友のあるスティーブ・ナッシュとジェイソン・キッド（現マブズ指揮官）の２人。いずれも歴代屈指のポイントガードで、名パサーとして知られる人物だけに、式典ではきっと的確な‟アシスト“をしてくれることだろう。
  　もっとも、今年の殿堂入りメンバーはウェイドにガソル、パーカー、ポポビッチら大物揃いなこともあり、ノビツキーは「（途中で）切り離されるかもしれないね。実際、今年は素晴らしいメンバーだ。誰もが彼らの旅路を共有したがっている。だからこそ、私は自分のスピーチを30分間の試練にはしたくないんだ」と語っていた。

　はたしてマブズ史上最高のレジェンドは、殿堂入り式典のスピーチでどんな言葉を発してくれるのか。楽しみに待ちたいところだ。

文●秋山裕之（フリーライター）