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NBA

”クセが強い”メンバーをまとめ、レイカーズを浮上に導くヴォーゲルHCの知られざるキャリア

出野哲也

2019.12.13

ペイサーズ時代はジョージ(左)を中心に2度カンファレンス決勝に進出。しかしレブロン率いるヒートの前に敗れ、ファイナル進出はならなかった。(C)Getty Images

ペイサーズ時代はジョージ(左)を中心に2度カンファレンス決勝に進出。しかしレブロン率いるヒートの前に敗れ、ファイナル進出はならなかった。(C)Getty Images

 ペイサーズで6年、次いでオーランド・マジックを2年指揮し、2017-18シーズン終了後に解任されるも、1年後にレイカーズから声がかかった。ただし、レイカーズが当初HC候補として考えていたのはタロン・ルー(現クリッパーズAC)、モンティ・ウィリアムズ(現フェニックス・サンズHC)ら、レブロンやデイビスと関係の良かった人々で、彼らに断られた結果ヴォーゲルにお鉢が回ってきたもの。さらにジェイソン・キッドまでACとして招聘したのは、球団側がヴォーゲルの手腕を全面的に信用していたわけでないことを物語っていた。
 
 そうした疑念は、見事な開幕ダッシュによって吹き飛んだ。みな実力者には違いなくとも、寄せ集めと言っていい選手たちをこれだけ早い時期にまとめ上げた手腕は賞賛に値する。2大スターとの関係も良好で、レブロンは「俺がヒートにいた時、ペイサーズほど試合前の準備が整っているチームはなかった。そのチームを指揮していた人なんだから、レイカーズが良くなるのはわかっていた」と語っている。

 とりあえず最初の関門をクリアしたヴォーゲルだが、このままずっとチーム状態が良いことなどは考えられない。負けが混み始めると不協和音も囁かされるようになるだろう。その時にどう対処できるかで、彼の真価は問われるのかもしれない。


■PROFILE
1973年6月21日、フロリダ州ペンサコーラ生まれ。1996年にケンタッキー大を卒業するもビデオコーディナーターとしてチームに残り、HCのリック・ピティーノをサポート。その後はセルティックス、シクサーズなどでACを歴任。ペイサーズAC時代の2010-11シーズン途中にHCに昇格すると、チームを2度のカンファレンス決勝に導くなど6年間で250勝181敗の成績を残した。2016年からマジックで2年間指揮を指揮を執り、2019年5月11日、レイカーズのHCに就任した。


文●出野哲也
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