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NBA

「これで終わりだ…」一時は引退も覚悟したカーメロがブレイザーズで復活できた理由

ダンクシュート編集部

2019.12.09

サンダーとロケッツで評価を下げ、“半引退状態”だったカーメロだが、今季加入したブレイザーズで輝きを取り戻した。(C)Getty Images

サンダーとロケッツで評価を下げ、“半引退状態”だったカーメロだが、今季加入したブレイザーズで輝きを取り戻した。(C)Getty Images

 2019-20シーズンのNBA序盤戦で、ルカ・ドンチッチ(ダラス・マーベリックス)の平均トリプルダブル級の爆発や日本人ルーキー八村塁(ワシントン・ウィザーズ)の活躍などと並び、ホットな出来事の一つとなったのが35歳となったカーメロ・アンソニーの華麗な復活劇だろう。

 カーメロは2003年のドラフト1巡目3位指名でデンバー・ナゲッツに加入。周知の通り、レブロン・ジェームズ(1巡目1位/現ロサンゼルス・レイカーズ)とドゥエイン・ウェイド(1巡目5位/長年マイアミ・ヒートでプレーし昨季限りで引退)の同期として、長年に渡ってNBAをリードしてきた。

 プロ入りから14年連続で平均20点以上をマーク。十八番のステップバックジャンパーを筆頭に、ポストアッププレー、ドライブからのフィニッシュなど、多彩な攻撃パターンを持ち、ことスコアリングにおいてはレブロンにも決して引けを取らない実力を見せつけてきた。

 その一方で、圧倒的な攻撃とは裏腹にディフェンスで時に穴となり、チームを勝利に導き切れない部分が非難の対象となることもあった。故郷のニューヨークに帰還したニックス時代、2013-14シーズンからオクラホマシティ・サンダーに移籍するまでの4年間、プレーオフ出場さえ果たせなかったのは“諸刃の剣”ぶりを象徴する結果だろう。
 
 しかし、カーメロの“転落人生”はそれだけにはとどまらなかった。これまで絶対的なエースとして君臨してきたなか、2017-18シーズンにはトレード先のサンダーでラッセル・ウエストブルック(現ヒューストン・ロケッツ)とポール・ジョージ(現ロサンゼルス・クリッパーズ)に次ぐ3番手に“降格”。78試合に出場して平均18.2点、6.5リバウンドという数字を残したものの、シーズン終了後にアトランタ・ホークスに放出され、その後解雇される憂き目にあった。

 2018-19シーズン開幕前にヒューストン・ロケッツと契約するもわずか10試合の出場でシカゴ・ブルズへトレード。今年1月に解雇され、カーメロがNBAの舞台に帰ってくることはなかった。

 今季開幕時点でも所属先はなく、引退説も浮上。カーメロの姿はもう見ることができない、と諦めたファンも少なからずいたはずだ。

 しかし――。現地11月19日に5勝9敗と低迷するポートランド・トレイルブレイザーズと無保証契約を締結。2年目のザック・コリンズが左肩の手術で長期離脱するなど、ビッグマンの駒不足というチーム事情も追い風となり、契約当日のニューオリンズ・ペリカンズ戦から全試合で先発出場し、平均15.9点、5.8リバウンド、1.5アシスト、3ポイント成功率35.9%を記録している。
 

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