「アンソニー・デイビスは（ヨキッチの）やることをすべてをこなせる。エンビードがやることだってできる。俺は彼（デイビス）がMVPになると期待している。今年じゃなければ、間違いなく来年獲るさ」

　デイビスも攻守両面に優れた万能ビッグマンなのは間違いない。攻撃ではポストプレー、ドライブ、ジャンパー、３ポイントを決めることが可能で、守備ではポイントガードからセンターまですべてのポジションの選手にマッチアップできる稀有な存在だ。
  　ただ、MVPに選ばれるためには優れた個人成績を残すことに加え、所属チームがリーグ上位に入ることが求められる。そして2023－24シーズンから新たな労使協定（Collective Bargaining Agreement／CBA）の適用により、アウォード受賞にはレギュラーシーズン82試合のうち65試合以上の出場が必須となる。

　デイビスが最後に65試合以上に出場したのはニューオリンズ・ペリカンズ在籍時の2017－18シーズン（75試合）まで遡る、この男がヨキッチとエンビードを抑え、最高の栄誉を手にするには健康体を維持することが最も重要な条件となりそうだ。

文●秋山裕之（フリーライター）

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