それでも、日本のファンにとって朗報なのは、グリズリーズが14日にホームで行なうウィザーズ戦を「Japanese Heritage Night」(ジャパニーズ・ヘリテージ・ナイト)と銘打っていることだ。これはそれぞれの国や民族を讃えるイベントで、ほかにも「Asian Night」(アジアン・ナイト)や「Jewish Night」(ジューイッシュ=ユダヤ教・ナイト)といった形で、NBAやMLBなどでたびたび行なわれている。催しとしては、来場者に記念品が配られたり場内アナウンスが日本語だったりという程度で、決して渡邊の出場を確約するものではないが、通常の試合に比べればチャンスは多いとみることもできる。
グリズリーズの公式Twitterでも、渡邊がファンに来場を促すメッセージ動画付きでウィザーズ戦を宣伝。公式サイトでは渡邊の写真とともにカタカナでチーム名を表記するなど、日本人プレーヤーの競演を随所に匂わせている。
もちろん、いざ試合が始まれば、互いに勝利のみを目指して真剣勝負を繰り広げる。開幕から全試合で先発を張る八村とは対照的に、渡邊の序列はチーム内で最も下の位置にあり、僅差の展開になるほど出場機会は遠のくだろう。
仮に14日に日本人対決が実現しなかった場合、次にウィザーズとグリズリーズが相まみえるのは2020年2月9日(日本時間10日/ウィザーズのホームゲーム)。両チームは異なるカンファレンスに属するため、今季の対戦はこの2回のみとなる。
ちなみに、14日はGリーグでもメンフィス・ハッスルの試合があり、相手は馬場雄大が所属するテキサス・レジェンズ。つまり、渡邊はNBAとGリーグ、どちらの試合に出場しても日本人対決が実現するというわけだ。渡邊と馬場はGリーグの今季開幕戦で一足先に対戦しており、その時は36分出場した渡邊が7得点、10リバウンド、デビュー戦となった馬場は5分のみの出場で無得点。試合も渡邊率いるハッスルが105-95で勝利している。
日本時間で日曜日に行なわれる一戦で、はたして記念すべき瞬間は生まれるのか。日本バスケ界を牽引する彼らの邂逅を、多くのファンが待ち望んでいる。
構成●ダンクシュート編集部