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バスケW杯

【バスケW杯】日本の救世主ホーキンソンだけではない…各国の代表で躍動した帰化選手たちの大舞台に懸けた想い<DUNKSHOOT>

小川由紀子

2023.09.07

 帰化選手としての責任とは、どれほど重いものなのか。ホリス・ジェファーソンが語る。

「正直、責任はものすごく重い。(自分が)いいプレーをしても、結果として試合に勝てていないのだから。観客は『コビー!』と声援をかけてくれたけれど、コビー(ブライアント/元レイカーズ)ならチームを勝たせられるはずだ。自分にはそれができなかった。それができる選手にならなくてはいけない」

 今年4月にギリシャ国籍を得たテキサス出身のウォーカップも同様に、「ギリシャのバスケットボール協会が僕にこのパスポートを与えてくれた。そのことだけでも、とてつもない責任を感じている。チーム、国、人々、友人、すべてを代表している」と神妙な表情で語った。

 ギリシャの強豪オリンピアコス所属のウォーカップは、すでに同国のバスケ界では知られた存在だ。しかし、ギリシャにはオリンピアコスvsパナシナイコスという2大勢力の巨大なライバル争いがあるがために、彼の代表入りには当初、パナシナイコスサポーターから大きな反発があったと、同国の記者は話していた。

 それでも大会5位タイの平均7.2アシスト、重要な場面で3ポイントシュートを沈めるなど、今大会の彼の活躍は目覚ましかった。ゆえに今ではみな、彼がいてくれて良かったと思っているそうだ。
 
 一方で、彼らが感じているのは「責任感」という名の重圧だけではない。

 自国(アメリカ)の代表としては体験できなかった国際トーナメントに出場する機会を得たことへの喜びや感謝を、彼らは決まって口にする。

「僕を、僕自身のままで受け入れてくれて、こうして初めて一緒にコンペティションに出場できたことは素晴らしい体験だった。とても楽しい思い出として、この数か月を振り返ることができるよ」(ウォーカップ)

 ホリス・ジェファーソンも同様に、感謝の言葉を述べた。

「上から下まで、あらゆる人たちに感謝している。そして自分を受け入れてくれたこの国、ファン、チームメイトも素晴らしかった。彼らは僕を温かく歓迎してくれた。何から何まで、感謝しかないよ。

 表現するなら、喜び、特別感、スリリングな体験だ。代表チームでプレーするという今まで想像もしていなかった旅を経験できて、これまでのあらゆる瞬間を愛おしく思う。そして、このようなハイレベルな大会で、自分の持てる力を出し切ってプレーできたこと。ヨルダンのスタッフや国には、言い表せないほどの感謝を感じている」
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