専門5誌オリジナル情報満載のスポーツ総合サイト

  • サッカーダイジェスト
  • WORLD SOCCER DIGEST
  • スマッシュ
  • DUNK SHOT
  • Slugger
バスケW杯

【バスケW杯準々決勝レポート②】スロベニアの“ホーム状態”をカナダが一蹴。ドンチッチが「フェアじゃない」と訴える一幕も<DUNKSHOOT>

小川由紀子

2023.09.08

 ドンチッチは、昨年のユーロバスケットでも、準々決勝のポーランド戦の残り3分でファウルアウトしている。当時は思うようにいかないゲーム展開にイライラを募らせ、不用意なラフプレーを見せていたのだが、このカナダ戦でも度重なる自分へのアタックに対し、レフェリーに再三、抗議するも聞き入れられず、その鬱憤が蓄積してテクニカルファウルとなってしまった。

 試合後、ドンチッチはレフェリーが「カナダ側の選手のファウルはコールしない」といった発言をしていたとして、「確かに自分は不満を口にすることが多いが、だからといってこれはフェアじゃない」と会見の席で訴えた。

 当初スロベニアの会見には、3ポイント4本を含む22得点をマークしたクレメン・プレペリッチが登壇すると伝えられていたが、急遽ドンチッチに変更されたのは、彼が自分自身の口から、ファウルアウトの理由を明かしたかったからかもしれない。

 ドンチッチの退場がフォーカスされたスロベニアだが、もっともそれで白旗を上げたわけではなく、終盤には残された選手で反撃を見せた。しかしカナダはこの大会3試合目の100点ゲームと、スロベニアの組織的なディフェンスに対してもハイスコアをキープしてみせた。
 
 31得点、10リバウンドを叩き出したシェイ・ギルジャス・アレキサンダーの華麗なテクニックを駆使したプレーは圧巻だったが、チーム全体としての国際ルールへの対応も見事だった。

 この試合で3ポイント3本を含む14得点をあげたニキール・アレキサンダー・ウォーカーは試合後、FIBAバスケットへの対策として「しっかり試合を読み取り、自分たちの強みを生かして、流れを引き寄せること」をチームとして取り組んでいると話した。

「ここにきてそれを学んだ。FIBAのゲームは高いIQ を必要とする。彼らはちょっとしたスキルや小技を使って差をつけてくる。だから僕たちは常にそうしたことに注意を払って、1人ひとりが意識すること、それがチーム全体を助けることになる。それを徹底するのが、このチームのカルチャーだ」

 その上で、今回のカナダ代表の強みをこう描写している。

「スウィッチだ。僕らは誰もがシュートが打てて、相手にプレッシャーをかけられることが強みだ。(ディフェンスで)アグレッシブに当たって、フィジカルとスピードを駆使して、ゲームの流れをスピードアップすることができる」

 準決勝の対戦相手は、これまた欧州バスケットスタイルを代表するセルビア。カナダは100ポゼッションあたりの得点が134.4、セルビアは130.2と、今大会で得点率が最も高い2チームが激突する。どのような撃ち合いになるのか、期待が高まる。

文●小川由紀子
NEXT
PAGE

RECOMMENDオススメ情報

MAGAZINE雑誌最新号