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バスケW杯

カーメロ、ガソル、スコラ…W杯アンバサダーによるバスケ界発展への提言「重要なのは、自分たちに適したプログラムを見極めること」<DUNKSHOOT>

小川由紀子

2023.09.19

 カーメロはどの国にも頂点を目指す資格があることを語ったうえで、「ただ、このことも知っていてほしい」と次のように続ける。

「とかく俺たちは勝ちたいと思うものだ。しかし試合に臨み、自分のすべてを出し切り、より大きなものを思い描いて挑戦する時、それは多くの場合、勝つことよりも大きなことだったりする。自分の家やそれぞれの場所に帰って親しい人たちに囲まれた時、彼らは称賛してくれることだろう。たとえ試合に負けても、引き分けても、彼らは君がコートで出し切ったこと、努力を尽くしたことを評価してくれるんだ。

 1、2年後、また同じようにこうして集う機会があった時、僕らはいったいどの国の話をしているだろうね。そうやって世界全体でバスケットボールが成長していくことにワクワクするよ。まさに頭角を表わして、自分たちに手応えを感じ始めている国もいる。たとえば南スーダン。彼らは次のオリンピックに出場することを喜んでいる。自分たちが一丸となって何ができるか、そしてそのことで、いかにコミュニティや国、国民に喜びを与えられるかを知ることができたからだ」
 
 2006年のW杯(当時は世界選手権)で金メダル、ユーロバスケットでも3度の優勝を経験した元スペイン代表のガソルも南スーダン、日本、そしてドイツを例に挙げて語った。

「今回のワールドカップでは、南スーダンはオリンピックの出場権を獲得し、日本は初めてヨーロッパのチームを破るという、歴史的な出来事があった。しかも日本はフィンランドのような、非常にタフで才能豊かな新進気鋭のチームを倒した。本当にいろいろなことが起きている。でも、それには時間がかかる。一朝一夕には何も起こらないよね?何事にもプロセスがあるんだ。

 たとえばドイツの決勝進出は、過去20年間歩んできたプロセスの成果だ。ダーク(ノビツキー)が祖国のバスケットボールのためにいかに尽力してきたかはみんなも知っての通りだ。そして今回のこの成果は、ダークがチームメイトとともに長い年月をかけて成し遂げたレガシーの一部だと思う。

 2017年のユーロバスケットで、ドイツは準々決勝に進出したけれど、そこで私たち(スペイン)と対戦して敗れた。ホームで戦った昨年のユーロバスケットでは、準決勝で敗れたけれど、その後3位決定戦に勝って銅メダルに輝いた。そして今、彼らはそれらのトーナメントをともに戦い抜き、挑戦を続けてきたメンバーでさらに大きな一歩を踏み出した。だから、大事なのはプロセスなんだ。いかに成長を目指して、一歩一歩、着実に歩みを進めていけるかということなんだよ」
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