2004年のアテネ五輪金メダル、ワールドカップ歴代得点ランキング2位(716得点)の元アルゼンチン代表スコラは、「2人とも素晴らしい指摘だと思う」と賛同したうえで、各国独自のスタイルを確立させる重要性を説く。
「ただ、グローバル化が必ずしも、『すべての国が勝てるようになり、世界中のすべての地域から等しくチームが集まる』ということを意味するわけではないことも付け加えておきたい。
誰もが、そしてどこの国でも、この競技を成長させようと取り組んでいる。しかしそれでも、ほかより上手くいくチームというのが必ずある。そのカギは何かというと、自分たち自身のプログラムを発展させる、ということだ。才能がある選手も必要だし、入念な準備も必要だ。
グローバル化は、全員が勝てるサークルが作られていく、という意味ではない。では何かというと、誰もがバスケットボールを発展させ、プロモートし、観客や、この競技に取り組む子どもたちの観点からも成長することができるチャンスを平等に得られるということだ。
すべての国、すべての大陸が同じように勝てるというわけではない。それぞれの国が、それぞれのプログラムを開発する必要がある。ドイツはその好例だ。彼らはそうしたプログラムを20年かけて推し進めてきた結果、その成果を手にすることができている。セルビアもそうだし、ラトビアもそうだ。
リトアニアは人口300万人足らずの小国だが、彼らは常にバスケ界の最前線にいる。NBAやユーロリーグでプレーする選手がいて、オリンピックやワールドカップ、ヨーロッパ選手権でメダルを獲得している。それではなぜ、彼らは常にその位置にいられるのか?スペインも同様だ。この大会では良い結果は残せなかったが、これまでの過程は素晴らしい。彼らはこれから先も素晴らしい躍進を続けるだろう。
世界的な成長を考える時、まず重要なのは、自分たちに適した個々のプログラムは何なのかを見極めることだ。それぞれにそれぞれの成功の方法がある。そして繰り返しになるが、みんなが勝てるようになるわけではないが、みんなが等しく機会を得られるような状況を作ることに、我々は尽力していく」
「自分たちにもできるに違いない」というポジティブな気持ちが前進につながると語ったカーメロ、「プロセスが重要」だと指摘したガソル、そして、与えられた機会の中で自分たちに合った手法を探し当て、それを継続していくことがカギだと語ったスコラ。
前回大会では0勝5敗で31位に終わった日本は、トム・ホーバスHCの下で確固としたスタイルを構築し、今大会3勝2敗、19位と大きく躍進した。しかもガソルのコメントにもあったように欧州で勢いのあるフィンランドを筆頭に、アメリカ大陸のベネズエラ、アフリカのカーポベルデと、異なる大陸の対戦相手を破ったことも大きな経験となったことだろう。
ノビツキー時代を経て新たなスタイルを確立したドイツ代表は、前回大会の18位から一気に頂点へと駆け上がった。
自分たちらしいやり方で研鑽を重ねていった先には、さらに大きな成果が待っている。2027年のカタールW杯では、どんな未来が待っているだろうか。
文●小川由紀子
「ただ、グローバル化が必ずしも、『すべての国が勝てるようになり、世界中のすべての地域から等しくチームが集まる』ということを意味するわけではないことも付け加えておきたい。
誰もが、そしてどこの国でも、この競技を成長させようと取り組んでいる。しかしそれでも、ほかより上手くいくチームというのが必ずある。そのカギは何かというと、自分たち自身のプログラムを発展させる、ということだ。才能がある選手も必要だし、入念な準備も必要だ。
グローバル化は、全員が勝てるサークルが作られていく、という意味ではない。では何かというと、誰もがバスケットボールを発展させ、プロモートし、観客や、この競技に取り組む子どもたちの観点からも成長することができるチャンスを平等に得られるということだ。
すべての国、すべての大陸が同じように勝てるというわけではない。それぞれの国が、それぞれのプログラムを開発する必要がある。ドイツはその好例だ。彼らはそうしたプログラムを20年かけて推し進めてきた結果、その成果を手にすることができている。セルビアもそうだし、ラトビアもそうだ。
リトアニアは人口300万人足らずの小国だが、彼らは常にバスケ界の最前線にいる。NBAやユーロリーグでプレーする選手がいて、オリンピックやワールドカップ、ヨーロッパ選手権でメダルを獲得している。それではなぜ、彼らは常にその位置にいられるのか?スペインも同様だ。この大会では良い結果は残せなかったが、これまでの過程は素晴らしい。彼らはこれから先も素晴らしい躍進を続けるだろう。
世界的な成長を考える時、まず重要なのは、自分たちに適した個々のプログラムは何なのかを見極めることだ。それぞれにそれぞれの成功の方法がある。そして繰り返しになるが、みんなが勝てるようになるわけではないが、みんなが等しく機会を得られるような状況を作ることに、我々は尽力していく」
「自分たちにもできるに違いない」というポジティブな気持ちが前進につながると語ったカーメロ、「プロセスが重要」だと指摘したガソル、そして、与えられた機会の中で自分たちに合った手法を探し当て、それを継続していくことがカギだと語ったスコラ。
前回大会では0勝5敗で31位に終わった日本は、トム・ホーバスHCの下で確固としたスタイルを構築し、今大会3勝2敗、19位と大きく躍進した。しかもガソルのコメントにもあったように欧州で勢いのあるフィンランドを筆頭に、アメリカ大陸のベネズエラ、アフリカのカーポベルデと、異なる大陸の対戦相手を破ったことも大きな経験となったことだろう。
ノビツキー時代を経て新たなスタイルを確立したドイツ代表は、前回大会の18位から一気に頂点へと駆け上がった。
自分たちらしいやり方で研鑽を重ねていった先には、さらに大きな成果が待っている。2027年のカタールW杯では、どんな未来が待っているだろうか。
文●小川由紀子
関連記事
- バスケの最新世界ランキング、日本が26位に大躍進!アメリカが1位奪還、W杯優勝のドイツは3位に浮上<DUNKSHOOT>
- 【バスケW杯】「このチームはこれまでプレーしたなかでベスト」ドイツの歴史を作ったシュルーダーが喜びを語る<DUNKSHOOT>
- 「1992年は『俺たちは支配的だ』と世界に証明するために送り出した」アリナスが現アメリカ代表にスターの必要性を説く<DUNKSHOOT>
- 【バスケW杯】「信じられない旅路だった」初出場にして5位入賞。快進撃を見せたラトビアの強さの秘訣とは<DUNKSHOOT>
- 豪指揮官が日本代表ホーバスHCの手腕を称賛! 快進撃の要因に“Bリーグ”の存在を指摘「以前とまったく別次元」【バスケW杯】