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日本代表

“日本バスケの救世主”ファジーカスが今季限りで引退。アカツキ・ジャパンに「自信」を与え、世界の舞台に導いた功労者<DUNKSHOOT>

永塚和志

2023.09.17

2018年のW杯予選で強豪オーストラリア撃破に導くなど、日本を世界の舞台に引き上げたファジーカス。その自信は今も代表に受け継がれているという。写真:永塚和志

2018年のW杯予選で強豪オーストラリア撃破に導くなど、日本を世界の舞台に引き上げたファジーカス。その自信は今も代表に受け継がれているという。写真:永塚和志

 日本は2019年ワールドカップと東京オリンピックで全敗を喫しはしたものの、そうした自身が代表にもたらしたものが今も受け継がれているのでは、と38歳のファジーカスは言う。

「今はジョシュ(ホーキンソン/サンロッカーズ渋谷)が素晴らしい仕事をしていますよね。彼もチームに自信を与えていますし、トム(ホーバス/日本代表HC)にしても同様です」

 ファジーカスは自身が代表に加わったことで「つっかえていたボールが転がるようにできたかもしれない」と誇らしげだった。

「彼が日本のバスケットボール界に与えた影響は計り知れないですし、中国のワールドカップに導いてくれたのは間違いなく彼。感謝したいですし、彼のいなくなるBリーグがまだちょっと想像できないです」

 2019年のワールドカップにともに出場した比江島慎(宇都宮)は、ファジーカスの引退についてこのように反応した。
 
 この2019年のワールドカップと東京オリンピックの出場がなければ、今回のワールドカップでの戦いぶりと成績は、全く違ったものになっていたかもしれない。いずれにせよ今、トム・ホーバスHCの指導の下、結果を出し勝つ自信を得た日本にとっての次に目指すべきは、パリオリンピックでの1勝だとファジーカスは言う。

「オリンピックはワールドカップよりまた一段上のレベルとなります。しかし今の日本には信じる気持ちがありますし、周囲の我々にしても同じです。信じる気持ちがあればいつだって、勝つチャンスがあります」

ニック・ファジーカス:2007年のNBAドラフト2巡目(全体34位)でダラス・マーベリックスから指名を受けるが、NBAでのキャリアは短命(マーベリックスとロサンゼルス・クリッパーズで計26試合出場)に終わる。12年の来日以来、ビッグマンらしからぬ柔らかなフックショットやフローター、3ポイントシュートを駆使してリーグ屈指のスコアラーとして君臨。Bリーグでの通算8789得点、4081リバウンドはともに歴代トップで、ベストファイブには3度選出されている。

文●永塚和志
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