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バスケW杯

【バスケW杯】日本の救世主ホーキンソンだけではない…各国の代表で躍動した帰化選手たちの大舞台に懸けた想い<DUNKSHOOT>

小川由紀子

2023.09.07

日本のホーキンソンを筆頭に、ヨルダンのホリス・ジェファーソン(右上)、ギリシャのウォーカップ(右下)など各国で活躍したアメリカ出身の帰化選手たち。(C)Getty Images

日本のホーキンソンを筆頭に、ヨルダンのホリス・ジェファーソン(右上)、ギリシャのウォーカップ(右下)など各国で活躍したアメリカ出身の帰化選手たち。(C)Getty Images

 4強が出揃い、クライマックスを迎えている「FIBAバスケットボールワールドカップ2023」。パリ五輪出場権を掴んだ日本代表ではジョシュ・ホーキンソンが八面六臂の大活躍を披露したが、大会に出場した32か国の中には、ほかにも帰化して各国の代表選手となったアメリカ出身の選手たちがいる。

 中国のカイル・アンダーソン(ミネソタ・ティンバーウルブズ)、ジョージアのサド・マクファデン、ギリシャのトマス・ウォーカップ、ヨルダンの ロンデイ・ホリス・ジェファーソン(元ブルックリン・ネッツほか)、モンテネグロのケンドリック・ペリーなどだ。

 ちなみにフィリピンのジョーダン・クラークソン(ユタ・ジャズ)も登録上は帰化選手だが、彼の場合は母親がフィリピン人で、16歳までにその国のパスポートを取得した者だけを自国選手とみなす、というFIBAの条件にあてはまらずに帰化選手扱いとなっている(12歳の時にフィリピンのパスポートを取得)。

 彼ら帰化選手に共通するのは、非常に謙虚で、その国を代表して戦うということを真摯に受け止めていることだ。
 
 日本では“鷹ちゃん”の愛称で親しまれているホーキンソンも、カラオケで日本の歌を歌ったり、地域のお祭りに参加するなどして、積極的に新しい環境に馴染むよう努めた。

 彼らは代表メンバーの一員として国際大会に出場することだけを享受するのではなく、その国の文化にも興味を持ち、国民に溶け込む努力をしている選手がほとんどだ。

 それと同時に、帰化選手たちは常に、とてつもなく大きな責任を背負ってプレーしている。

 サッカーのJリーグ黎明期に参入した外国籍の選手は「助っ人プレーヤー」と呼ばれたが、バスケットボールの母国アメリカから帰化した選手たちも、即戦力としてチームに絶対的な影響を与えることを使命と感じてプレーしている。

 ヨルダンのホリス・ジェファーソンは、最後の試合となったメキシコ戦に接戦の末に敗れたあと、何度も「自分に責任がある」というフレーズを口にした。40分間フル出場し、26得点、10アシスト、8リバウンドと、文字通り獅子奮迅の働きをしながら、1勝もあげられずに大会を終えたことに、彼は胸を痛めていた。

「チームが勝つための助けになれなかったことをとても悔やむ。心が痛いよ」
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