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NBA

八村塁と渡邊雄太が刻んだ新たな1ページ。NBA初の日本人対決はともに満足はできなかったが…

秋山裕之

2019.12.15

試合後にユニフォーム交換を行なった両者。日本バスケ界とNBA双方にとって歴史的な夜となった。(C)Getty Images

試合後にユニフォーム交換を行なった両者。日本バスケ界とNBA双方にとって歴史的な夜となった。(C)Getty Images

 第3クォーター。八村は3ポイントをミスするも、その後ミドルレンジからプルアップジャンパーを決めて8試合連続で2桁得点に到達。その一方で、残り約3分のクラークとの1オン1では、何度もフェイクを試みてシュートチャンスをうかがうも、元チームメイトが完全に読み切っており、ショットまで持ち込めないシーンも。

 1度ベンチへと下がった八村は、第4クォーター残り8分18秒にコートへ戻ると、オフェンシブ・リバウンドでジャクソンJr.とルーズボール争いからジャンプボールに持ち込むハッスルを披露。しかし点差はなかなか縮まらず、95-117とされた残り5分20秒、ビールとともにベンチへ退いた。

 一方、渡邊は残り3分27秒にこの日2度目の出場機会を得てコートイン。オフェンシブ・リバウンドをもぎ取る奮闘を見せるも、シュート機会は訪れぬまま128-111でグリズリーズが勝利を飾った。

 ホームのグリズリーズはディロン・ブルックスが27得点、3スティール、ベンチから登場したクラークがFG14本中11本成功でキャリアハイを更新する25得点の大活躍。その他、第4クォーターに豪快なダンクを見せた新人王候補のジャ・モラントが18得点、4リバウンド、5アシスト、ジャクソンJr.が16得点、4本放った3ポイントをすべて沈めたソロモン・ヒルが12得点と続いた。
 
 今季ワーストの4連敗となったウィザーズは、ビールが29得点に10リバウンド、4アシスト、4スティール。トロイ・ブラウンJr.が16得点、5アシスト、スミスとアドミラル・スコフィールドがそれぞれ14得点をあげた。

 八村は28分40秒プレーして10得点(フィールドゴール4/10、3ポイント1/2、フリースロー1/2)、4リバウンド。8試合連続で2桁得点を記録したものの、後半はグリズリーズの勢いに飲み込まれる形となった。

 渡邊との日本人対決について「すごい楽しみですね。今までの歴史的にもないので、実現したらいいなと思います」と語っていた八村は、試合後に渡邊とユニフォーム交換。互いに対戦相手としてコートに立ったことを祝福するかのような、充実した表情で健闘を称え合った。

「NBAのことだけじゃなくて、普段の生活のこととかも話したりします」と渡邊について話していた八村。「今日はしっかりと勝ちたい」と必勝態勢で臨んだが、大事な一戦を勝利で飾ることはできなかった。

 一方の渡邊も今季最長となる7分7秒プレーしたものの、十分なアピールはできず。初の共演は両者にとって満足のいくものではなかったかもしれないが、夢の日本人対決はしっかりと歴史の1ページに刻み込まれた。

文●秋山裕之(フリーライター)
 
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