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NBA

デイビッド・ロビンソン――頭脳明晰で成績優秀、NBA史上最高の優等生【レジェンド列伝・前編】<DUNKSHOOT>

出野哲也

2023.10.04

 2年目にはリバウンド、3年目はブロックのタイトルを獲得し、リーグを代表するスター選手となった彼のもとに、吉報が届いたのは92年だった。この年のバルセロナ五輪の代表メンバーに選ばれたのである。同大会からオリンピックでのプロ選手出場が解禁になったことで、諦めていた名誉挽回の機会が巡ってきたのだ。

 ドリームチームは圧倒的な強さで対戦相手を蹴散らし、金メダル奪回に成功。ロビンソンの宿願は叶えられた。

「国歌が流れるのを耳にした時、自分の体中から何かが湧き上がってくるような感情に襲われた。 人生で最高の瞬間だった」
 
 ロビンソンの次なる使命はスパーズをNBAの王座に導くことだった。彼の入団後、スパーズは毎年プレーオフに出場していたものの、カンファレンス準決勝までが精一杯だった。才能のある選手の揃ったポートランド・トレイルブレイザーズ、チャールズ・バークレーの加入したフェニックス・サンズ、ジョン・ストックトンとカール・マローンの黄金コンビを擁するユタ・ジャズなどが、相次いで彼らの前に立ちふさがった。

 チャンスが訪れたのは94-95シーズンのことである。前年にデニス・ロッドマンが加入し、ディフェンス面での負担が軽くなったロビンソンは平均29.8点で得点王になった。この年もその勢いを持続し、27.6点(3位)、10.8リバウンド (7位)、 3.23ブロック(4位)の好成績。数字的には前年より少しだけ下がったものの、チームがリーグ最多の62勝をあげたことが評価されてMVPを受賞し、意気揚々とプレーオフに挑んだ。(後編に続く)

文●出野哲也
※『ダンクシュート』2008年10月号原稿に加筆・修正

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