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NBA

転落が止まらないニックス。リーグ屈指の名門が犯した最大のミスとは?

杉浦大介

2019.12.18

 2018年にはオールスターに選出されたスーパースター候補を、ニックスは決して豊富といえない交換要員と引き換えにマーベリックスに放出。その最大の目的が、オフに2人の大物FAを獲得できるだけのキャップスペースを作ることだったのは明らかだった。ようやく手にした人気選手を惜しげもなくトレードしたことの衝撃は大きく、直後、ニックスとケビン・デュラント、カイリー・アービングの密約説がまことしやかに囁かれたのは記憶に新しい。これほど大胆に動くのなら、背後に何らかの“保証”があると疑われるのは当然だからだ。

 しかし———。結局のところ“密約”などは存在せず、FAの目玉だったデュラント、アービングは同じニューヨーク市内に本拠地を置くブルックリン・ネッツと契約する。ここでニックスのマスタープランは完全に瓦解。その見通しの甘さゆえ、フロントは激しく批判されることになった。

 こんな状態のチームに加入したベテランたちが、厳しい環境の中で精彩を欠いているのは仕方ない。今のニックスの周囲には、成功を予期する空気、向上を支えるサポート環境はまったく存在しないように思えるからだ。

 もしもポルジンギスがトレードされていなかったら? すでにラトビア人スターとチームの関係はこじれており、放出は避けられなかったという意見もある。例えポルジンギスが残留していたとしても、FA戦線では空振りに終わっていた可能性は高かったのだろう(※ポルジンギスが残留してもキャップスペース的に1人とのMAX契約は可能だった)。
 
 ただ……結果論に聞こえるかもしれないが、自らドラフト指名したスター候補をじっくり育て、今年のドラフト1巡目指名選手であるRJ・バレットとのデュオを軸に据える方が得策だったと考えるファンが多いのは仕方ないのだろう。そんな辛抱強い姿勢を見せれば、FAのスーパースターたちに良好なメッセージを送ることにもなっていたはずだ。いわば“近道”を焦って進むことで、ニックスは業界内での信用をさらに失ってしまった感は否めなかった。

「今後の注目は、誰がチームを率いていくことになるのか。スティーブ・ミルズ球団社長、スコット・ペリーGMがチームに残るのか、そして新HCには誰が登用されることになるのか。個人的な意見だが、過去数年の流れを見る限り、フロントの刷新は理に適うと考える。昨季中から今夏にかけての方向性がうまくいかなかったあとで、他の人材を登用すべきだ。実際にそうするかどうかが、今後の注目ポイントになる」

 ベイグリー記者の言葉通り、現時点でポジティブな要素はほとんど存在しないだけに、さらなる変化は悪くない方向性にも思える。

 それにしても、ニックスはもう何度このように実にならない“改革”を繰り返してきたのか。ここで失敗のヒストリーに新たな1ページが加わり、「2年後にFAになるヤニス・アデトクンボ(ミルウォーキー・バックス)を狙う」などと息巻いてももう誰も信用しないだろう。冬の時代が継続し、長く続くトンネルの出口はまだまったく見えてきていないのが現状なのだ。

文●杉浦大介
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