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NBA

「俺に似ている…」エースのバトラーがシンパシーを抱く新人、ケンドリック・ナンとは何者か

杉浦大介

2019.12.20

バトラーは不調時も「気にするな」と励まし続けた。ちなみにデビュー5試合で112得点というのはNBA史上でも21位という快記録だった。(C)Getty Images

バトラーは不調時も「気にするな」と励まし続けた。ちなみにデビュー5試合で112得点というのはNBA史上でも21位という快記録だった。(C)Getty Images

 ただ、開幕直後に華々しく活躍したからといって、そのまま快進撃が続くとは限らない。NBAの各チームのスカウティングは充実しており、もともとナンは波の激しさが指摘されてきた選手。すでに相手のマークは厳しくなっていて、10月は平均22.4点を叩き出したが、11月は14.1点にダウン。ただ、それでもヒートの同僚バトラーはナンの実力を認め、エールを送っている。

「アグレッシブにプレーを続けてほしい。思うように点が取れないゲームがあっても気にしないでほしい。彼には自分がどれだけ良い選手かわかって欲しいんだ」
 
 今季からヒートでプレーしているバトラーは、「(ナンは)俺に似ている」とも語っている。ドラフト30位という低評価でNBA入りし、徐々に自信をつけてスターダムに躍り出たバトラーとナンには確かに共通点があるかもしれない。そんな先輩がチームにいることは、ナンにとっても心強いだろう。

 ナンはこのまま、バトラーのようにスターへの階段を上っていけるのか。ジャ・モラント、RJ・バレット、八村塁らドラフト上位指名選手が好スタートを切った一方、本命のザイオン・ウィリアムソンが故障で出遅れたことで、今季の新人王争いは混沌としている。10、11月のイーストの月間最優秀新人に輝き、ダークホースとなったナンにも、十分受賞のチャンスがあるはずだ。

文●杉浦大介

※『ダンクシュート』2020年1月号より加筆・修正。

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