「あれはちょっとばかり巧妙な処置だったな。別に『あぁ、彼らは着用できる背番号の数々を（ヨキッチへ）用意したのか』ってわけじゃない。俺は15番について考えてもいない。でも、チームが彼に15番を与えたのは、俺のやってきたことをかき消そうとしたんだと思う。今の世代が、デンバーの15番と言ったらジョーカー（ヨキッチ）を思い浮かべるようなゲームをしたいだろ。

（けど）そんなことはないんだ。ふたつの違った世代なんだ。2010年、13年前のことだ。どんなことがあったのかを誰も知らずに認知もしていなけりゃ、13年も前のことにしがみついていることになる」
  　昨季のナゲッツはヨキッチを中心に、フランチャイズ史上初のリーグ制覇を成し遂げており、ファイナルでは満場一致でMVPに選出。球団記録に目を向けると、すでに通算6731リバウンド、4321アシスト、トリプルダブル117回（NBA歴代４位）でトップに立っている。

　カーメロとヨキッチ、フランチャイズに与えた影響力を比べると、昨季デンバーに初タイトルをもたらしたヨキッチに軍配が上がるだろう。ただ、永久欠番の定義はチームによって異なるだけに、下位に低迷していたナゲッツをプレーオフチームに押し上げたカーメロの功績も評価されるべきだろう。

文●秋山裕之（フリーライター）

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