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レブロンの4万点到達の裏で欧州の歴史を塗り替えた“もう1人のジェームズ”。元同僚の偉業達成にハーデンも誇らしげ「彼にエールを贈るよ」<DUNKSHOOT>

小川由紀子

2024.03.17

 1、2年ほど前、アナドール・エフェスでユーロリーグ2連覇を経験しているアメリカ人センター、クリス・シングルトン(元ワシントン・ウィザーズ)から「記録更新までそう遠くないんじゃないか?」と指摘されて、初めてその可能性を意識したというジェームズ。シーズンが始まる前「うまくいけば、今シーズン中に達成できるかもしれない」と照準を合わせていたという。

 見事達成した彼の次の目標は、モナコでのユーロリーグ優勝だ。

 そうして欧州でのキャリアを邁進しているジェームズに、ネッツ時代のチームメイトのジェームズ・ハーデンも賛辞を贈っている。所属するロサンゼルス・クリッパーズの番記者トマス・アザルリーに、ジェームズの快挙について聞かれたNBAの元得点王のハーデンは、「彼は俺のブルックリン時代のチームメイトだ」と誇らしげに話し始めた。

「NBAに挑戦して、思うようにチャンスが得られない選手は少なくない。でもそんななか、マイクは挫けることなく海外に活路を求めて、そこでキャリアを積み上げた。その結果、コンスタントに結果を出して歴代最多得点という見事な功績を手にした。 素晴らしいことだよ。

 彼はNBAでプレーすることが叶わなかったり、十分にコートに立つことは叶わなくても、素晴らしいプロキャリアを築き、家族のために多くの金を稼ぐことは可能なんだということを身をもって証明したんだ。そんな彼にエールを贈るよ」
 
 ちなみに、スパノーリスの前は”ラ・ボンバ”こと、スペインの至宝フアン・カルロス・ナバーロ(元メンフィス・グリズリーズ)が2011年からユーロリーグの最多得点記録をキープしていたが、その前はNBAから欧州へ転身した先駆者の1人である、アメリカ人ガードのマーカス・ブラウン(1996年にポートランド・トレイルブレイザーズでデビュー)が頂点に立っていた。

 13年ぶりにアメリカ人選手が頂点を奪還した形となったが、トップの座からそう遠くないところには、現役のナンド・デ・コロ(元サンアントニオ・スパーズほか/現アスベル/4411得点)が控えている。

 ただ、今季も平均19.3点で得点ランキング首位に立つジェームズだけに、長期離脱でもない限りは今後も数字を伸ばし続けるはず。そう簡単に追い抜かれることはないだろう。

 ハーデンの言葉通り、欧州の舞台で躍動するマイク・ジェームズの姿は、多くの選手に希望を与えている。

文●小川由紀子

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