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NBA

「不完全燃焼のままだった」サンダー躍進の立役者、ポールが語る本音と快進撃の舞台裏

北舘洋一郎

2020.01.22

ロケッツでの2シーズンはハーデン(右)とうまく噛み合わず、不完全燃焼に終わった。(C)Getty Images

ロケッツでの2シーズンはハーデン(右)とうまく噛み合わず、不完全燃焼に終わった。(C)Getty Images

 6年間在籍したクリッパーズで、最大の目標であったリーグ優勝を果たせなかったポールは、2017年にロケッツに移籍。しかし2シーズンともにプレーしてもジェームズ・ハーデンとのケミストリーは芽生えないまま、今回のサンダー移籍に相成った。

「不完全燃焼のままだ」とポールは話す。

 もう34歳、選手として全盛期を越え下り坂に入り、“チャンピオンシップを一度は手にしたい”というのがポールの今の本音でもある。

「ロケッツから放出された時、“ファイナル進出圏内のチームでプレーしたい”という気持ちがなかったと言ったら嘘になる。自分に選択肢があったらそうしていたよ。そこが(サンダー移籍が決まった時に)一番心に引っかかるところだった。そんな時にある人から『今の自分が置かれた環境を理由に逃げることは負けだ。今の自分がそこにいるのも人生なのだから、大切に今を生きることだ』と言われた。それからは、自分の最大限をサンダーで表現すると決めた」

 このポールの転機が、サンダーの今を形作っているといっても過言ではないだろう。
 
 現代NBAの主流であるピック&ロールからのオフェンスは、ポールのようにボールハンドリング、パス、シュートに長けた選手は水を得た魚のごとく生きるシステムだ。まして、アダムズというリーグ屈指のスクリーナーであり、またパスレシーバーがいることで、ポールのゲームコントロールはさらに効果を発揮する。さらにダニーロ・ガリナーリ、デニス・シュルーダー、シャイ・ギルジャス・アレキサンダーと3人のスコアラーがいることで、ポールのアシストから確実に得点に結びつける展開ができる。

 ドノバンHCも「クリスは知性的で、そして特別な選手でもある。彼は最短かつ迅速に、チームとして結果につながるような可能性を探し続けてくれている」とチームの司令塔を大絶賛。一方で「実質10人でローテーションは組んでいるものの、現状で計算できる選手は8人。その後ろの戦力向上がないと、上位進出は難しい」とチームの課題も指摘している。

 ポールも「勝ち負けの差がまだ大きい」と話すが、ロケッツに2勝1敗、クリッパーズとユタ・ジャズにもそれぞれ1勝1敗と、上位チームと互角以上にやりあう勢いはある。
 
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