NBAキャリア８年目のハートは、自身の現状をこう表現していた。

「今年は僕にとって初めて、リーグの中でも優れた選手だという、自分の立ち位置を固めることができていると思う。誰に対しても自分のことを証明する必要はなくなったんだ。チームにはJB（ブランソン）、KAT（タウンズ）、ミケル、ＯＧがいる。僕は彼らの持つ能力をどうやったら最大限に生かせるのか、シブス（シボドーHC）のためにどのようにして出場可能なコンディションでいることができるか。自分はそういうメンタリティで戦っているんだと思う」
  　ブリッジズ、アヌノビーとともに平均プレータイムでリーグ上位に顔を出すハートは、リバウンドとアシスト、スティールで自己最高ペースのスタッツをマーク。また、トリプルダブル８度は1968－69シーズンのウォルト・フレイジャーと並ぶ１シーズンにおける球団最多記録だ。

　スター選手たちとプレーしながら自身の持ち味も存分に発揮できる有能な“グルーガイ”が、シーズン終盤戦とプレーオフでもタフネスを持ち込み、ニックスを盛り上げてくれることだろう。

文●秋山裕之（フリーライター）

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