ニューオリンズ・ペリカンズのザイオン・ウィリアムソンは、度重なるケガや体重超過の影響で、NBA6年目の今季もわずか29試合の出場にとどまっており、秘めるポテンシャルをいまだに発揮し切れずにいる。
名門デューク大時代から注目を集めたザイオンは、“ガラスの大器”と言ってもいいほどNBA入り後はケガに悩まされてきた。ルーキーイヤーは右ヒザ半月板損傷により出遅れて、24試合の出場のみ。2年目こそ61試合でリーグ8位の平均27.0点をマークしたが、2021-22シーズンは開幕前に右足第5中足骨を骨折して、結局シーズン全休に終わった。
2022-23シーズンも29試合の出場でフィニッシュ。22年7月に5年総額で最大2億3100万ドル(約345億円)のMAX額での契約延長を締結したものの、6年目の今季もシーズンの半分以上の試合を欠場。NBA入り後わずか213試合にしかコートに立っておらず、高い期待に見合うだけの活躍は見せられていないのが現状だ。
プロ入り以降、欠場率は50%以上。プロフィール上は身長198cm・体重129kgながら、一時は149kgまで増加したとの報道も飛び交い、オーバーウェイトなど乗り越えるべき課題は多い。それでも、レブロン・ジェームズ(ロサンゼルス・レイカーズ)の後継者の1人とも期待されたスーパースター候補だけに、諦めきれないファンも多いだろう。
元NBA選手のギルバート・アリナス(元ワシントン・ウィザーズほか)は、ザイオンを高く評価している1人だ。
自身がホストを務めるポッドキャスト番組『Gil's Arena』で、「ザイオンの最も過小評価されていることは、左足で何度も繰り返し飛べることだ。人々は右足で飛べることは知っている。でも、右利きの選手と同じように、左足で飛べることはほとんどの人が知らない」と語った。
垂直飛びは45インチ(約114.3cm)とも言われるザイオン。左利きだが、アリナスによればどちらの足で踏み切っても、差異なく高く飛べるという。そしてアリナスは、今年25歳を迎えるザイオンにパワーフォワードからのコンバートを推奨している。
「俺の理想は、彼(ザイオン)を2番(シューティングガード)か3番(スモールフォワード)で起用することだ。彼はよりパワフルなドゥエイン・ウェイド(元マイアミ・ヒートほか)だ。視野が広く、パスもできる。4番(パワーフォワード)でプレーさせるのもクールだが、2番でドリブルやポストプレーをすると考えたら脅威だ。彼の身体にかかる負担を軽減したい」
“ガラスの大器”のまま終わるのか、それともNBA史に名を刻むレジェンドにまで上り詰めるのか。ザイオンはコートに立ち、自分の実力を証明し続けるしかない。
構成●ダンクシュート編集部
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