ショーツは、2019年にNCAA１部のカリフォルニア大デイビス校を卒業後すぐに欧州に渡り、ラトビアでプロキャリアをスタートした。

　翌年はドイツリーグにステップアップし、その後も１年ごとに所属クラブを変えながら、2022－23シーズンにイーサロHCの下でメジャータイトルを獲得。リーグの年間MVPにも選出されると、イーサロがパリ・バスケットボールに引き抜かれたのに伴い、他の主力とともにパリへ鞍替えした。

　ショーツにとってイーサロは自分をワンランク上のレベルに引き上げてくれた恩師であり、彼の求めるプレースタイルは身体に染み込んでいる。

「彼のおかげで自分のプレーは飛躍的に向上した。彼が今の僕を作り上げてくれたんだ」とショーツは以前、イーサロへの感謝の言葉を述べていた。
  　NBAで再びイーサロと共闘する可能性について、先月のプレーインの最中にフランス紙『レキップ』に聞かれた時には、「もしそれが起こったとしても、クレイジーだとは言わないだろう。むしろ運命という感じだ。未来に何が起こるかは誰にもわからないけどね」と答えている。

　彼のエージェントも、実際にNBAからコンタクトがあることは認めているが、「サマーリーグやトレーニングキャンプへの参加は検討していない」と、４月の時点で回答していた。

　お互いを知り尽くした指揮官の下でNBAに挑戦するのか、すでにステータスを確立した欧州の舞台で今後もスター選手として活躍を続けるのか。2022年に北マケドニアの国籍も取得し、同国の代表チームでもプレーしているショーツにとっては、契約内容も重要な判断材料になってくるだろう。

　俊敏でアウトサイドシュートも得意とする彼のプレースタイルは河村勇輝との共通点も多いため、河村が来季もグリズリーズに残った際の活躍を占う上でも、ショーツの動向には注目したいところだ。

文●小川由紀子

【NBA】グリズリーズの新指揮官、イサロ暫定HCとはどんな人物か。欧州で注目を集めるフィンランド出身の42歳に迫る＜DUNKSHOOT＞

「充実した」NBA１年目を終えた河村勇輝。来季もグリズリーズでのプレーを希望「評価してくれたファンやコーチに恩返しがしたい」＜DUNKSHOOT＞