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NBA

「充実した」NBA1年目を終えた河村勇輝。来季もグリズリーズでのプレーを希望「評価してくれたファンやコーチに恩返しがしたい」<DUNKSHOOT>

永塚和志

2025.04.29

グリズリーズの河村がNBA挑戦1年目を振り返った。

グリズリーズの河村がNBA挑戦1年目を振り返った。

 NBA1年目を終え、単に疲れていたのかもしれない。が、いつものように立て板に水のごとく言葉が流れ出てくる様子がないのは、この1年で母語である日本語を話す機会がぐっと減ったことの証左でもあったかもしれない。

 2024-25シーズン、2WAY契約選手としてメンフィス・グリズリーズでプレーした河村勇輝が、自身も同行して試合を見届けたグリズリーズのプレーオフ敗退(オクラホマシティ・サンダーを相手に0勝4敗)を受け、4月28日早朝(現地27日)、日本メディア向けにオンラインで取材対応を行なった。

 昨年9月にグリズリーズとエグジビット10契約(無保証契約)を結んだ河村はトレーニングキャンプとプレシーズンで存在感を示したことで2WAY契約に昇格。10月26日のヒューストン・ロケッツ戦でコートに立ち、史上4人目の日本人NBA選手となった。

 今シーズン、グリズリーズ傘下のGリーグチーム、メンフィス・ハッスルで31試合すべてに先発出場した河村は平均12.7点、8.4アシスト、3.0リバウンドを記録。グリズリーズでは22試合で平均1.6点、0.9アシストをマークした。
 
 日中にGリーグの試合に出場し、その後グリズリーズに合流して“ダブルヘッダー”をこなすこともあるなど、多忙な日々を送る1年になったことは間違いない。「いつカットされるかもわからない状況の中で後悔だけはしたくないという気持ちを常に持っていた」という河村は、「アメリカに来たのがつい数日前のような感覚で、それくらい充実した毎日を送ってきたんだなというのは昨日、シーズンが終わってから改めて感じました」と述べた。

 歩んだ轍を振り返る余裕など、シーズン中にはほとんどなかったのではないか。チームの終戦で、わずかながらそれをすることができた様子だった。やや思考を巡らせながら、日本語に従前の滑らかさがなかったのは、チームメイトやスタッフとのコミュニケーションや戦術といったすべてを英語の雨を浴びながらこなしてきたことの表われかもしれない。

 もっとも、「充実」と「充足」では意味合いが異なる。これほど早くNBAデビューを飾ることができるとは考えていなかったとはいえ、リーグに定着することが目標の河村にとってまだまだ埋めるべき“伸びしろ”は大きい。

 シーズン中にもシュートフォームを改良するなどといったたゆまぬ努力が奏功し、Gリーグでは3ポイント成功率36.5%とシューターとしての役割もこなしたが、チーム成績は11勝20敗でプレーオフ不出場と結果はついてこなかった。

「ガードとしてのコントロールがまだ足りないんじゃないか」と語った河村は、勝たせることが最大の仕事である司令塔としての責を十全に果たせたとは感じていない様子だった。
 
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