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NBA

NBAアウォード投票の“裏側”を仏記者が暴露「自軍選手へ投票してもらうため、時にプレゼントが贈られることもある」<DUNKSHOOT>

小川由紀子

2025.05.25

 対照的に今季のサンダーは、“クラブ史上最も選手層が厚い”とまで言われるほど。シェイを筆頭に、オールスター初参加のジェイレン・ウィリアムズや、負傷したチェット・ホルムグレンの穴を埋めたアイザイア・ハーテンスタイン、第7戦でヨキッチを苦しめたアレックス・カルーソなど、攻守両面にわたって役者が揃っていた。

 両選手とも絶対的な存在感を持つエースであることは間違いないから、大黒柱として全体を支えたヨキッチか、戦況を打開できる爆発力を誇るシェイかで意見が分かれたところで、やはりチームをリーグ首位に導いた実績も評価されて、SGAが913ポイントで首位、ヨキッチが787ポイントで次点という結果におさまった模様だ。

 併せてオールディフェンシブチームなども発表されたが、こうした論争の裏では、各球団によるアピール合戦もあるようだ。各アウォードの候補者を有するフランチャイズがいかに自軍の選手をプッシュしているかについて、投票権を持つジャーナリストの1人であるフランスの『レキップ』紙のマキシム・オーバン記者は、同メディアのポッドキャストでこんな裏話を明かしていた。
 
「各フランチャイズは、自分たちの選手に投票するよう積極的に働きかけてくるんだ。メールや、なぜ他の選手ではなくその選手に投票すべきかを数字で示した資料が山のように送られてくる。時にはさらにエスカレートして、電話やプレゼントが送られてくることもある。実際に最優秀守備選手賞の候補者がプリントされたパーカーを贈られたこともあるよ」

 ゆえに「いかに客観的に判断できるかというジャーナリストの倫理観が試される」とオーバン記者は加えている。ちなみに彼は新人王レースにおいて、自国出身のドラフト指名2トップの2人、ザカリー・リザシェイ(ホークス)とアレックス・サー(ワシントン・ウィザーズ)ではなく、公平な視点から、ステフォン・キャッスル(サンアントニオ・スパーズ)に投票したそうだ。

 周りが騒ぐほど本人たちは個人賞には意識を向けていないものだが、すでにサンダーはウルブズとのカンファレンス決勝で2勝1敗と、SGAはますます気を吐いている。エースのMVP 受賞は、チームにとって間違いなくカンフル剤となっていることだろう。

文●小川由紀子

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