そしてもう１人、第３戦で勝利の立役者となったのが、控えPGのTJ・マッコネルだ。

　ドラフト外からNBA10年目を迎えた33歳の叩き上げは、１勝１敗で迎えたシリーズ第３戦、15分間の出場で10得点、５アシスト、５スティールと八面六臂の活躍を披露。相手のスローインから何度もボールを奪い、次々と味方のゴールを演出するなど、拮抗した展開を打破する火付け役となった。

　両チーム最小の185cmと小柄な体格ながら、試合の流れを変えてみせたその姿に、2011年マブズのJJ・バレアを重ねたオールドファンも多いのではないか。
  　バレアはマッコネルと同じくドラフト外からチャンスを掴み、178cmのサイズでありながらNBAで14年のキャリアを送ったスコアリングガード。2011年のプレーオフではベンチの中核を担っていたが、１勝２敗で迎えたファイナル第４戦からカーライルHCに先発に抜擢されると、以降の３試合で平均13.3点を稼ぎ、チームの逆転優勝に大きく貢献した。

　パス重視のキッドと、果敢に得点を狙うバレアのPGコンビは、レブロン・ジェームズやドゥエイン・ウェイドを擁したマイアミ・ヒートを大いに苦しめ、第４戦からの３連勝でダラスに初優勝をもたらした。

　今季のペイサーズも、下馬評が低いという点では当時のマブズと同じ。このまま頂点まで突っ走るためには、攻撃の中心を担うハリバートンとマッコネルのPGデュオの活躍が不可欠だ。

構成●ダンクシュート編集部