2日後、ライバルのアリゾナ州大戦に出場したカーは、7本中5本のシュートを決め、22点差での勝利に貢献。人生最大の試練ですら、彼の正確なシュートを狂わせはしなかった。
86年には全米代表として世界選手権(現ワールドカップ)に出場し、平均9.2点の活躍で金メダルを獲得。さらに4年生の時にはショーン・エリオットや、のちにMLBのオールスター選手になったケニー・ロフトンらとともに、アリゾナ大をNCAAトーナメントのファイナル4に導く。
3ポイント成功率は57.3%の高確率で、オールアメリカ2ndチームにも選出された。それでも88年のNBAドラフトでは、2巡目50位という低評価。地元のフェニックス・サンズに入団したものの、1年後にはクリーブランド・キャバリアーズへ放出されてしまう。
確かにカーは機敏ではなかったし、ポイントガードとしてはプレーメイキングのセンスに乏しかった。それでもシュート力だけは本物で、2年目には早くも3ポイント成功率50.7%でリーグトップとなる。
「クレイグ・ホッジスやジョン・パクソン、ジェフ・ホーナセックらを参考にした。みな僕と同じくらいのサイズで成功していたからね。彼らのプレーを研究することで、より良い選手になれたんだ」
もともと優れたシューターだったが、それに甘んじることなく、個人的にチップ・エンゲランド(デューク大やフィリピンで活躍した名シューター。現スパーズ・アシスタントコーチ)をコーチとして雇い、さらに腕に磨きをかけた。
それでも、体格と身体能力のハンディキャップ――身長は191㎝あったがダンクはできなかった――を埋めるのは難しかった。オーランド・マジックへトレードされた92-93シーズンには、平均得点が2.6まで下降。「いつリーグから消えてもおかしくなかった」と自らも認めるような状況だった。(後編へ続く)
文●出野哲也
※『ダンクシュート』2013年3月号掲載原稿に加筆・修正
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86年には全米代表として世界選手権(現ワールドカップ)に出場し、平均9.2点の活躍で金メダルを獲得。さらに4年生の時にはショーン・エリオットや、のちにMLBのオールスター選手になったケニー・ロフトンらとともに、アリゾナ大をNCAAトーナメントのファイナル4に導く。
3ポイント成功率は57.3%の高確率で、オールアメリカ2ndチームにも選出された。それでも88年のNBAドラフトでは、2巡目50位という低評価。地元のフェニックス・サンズに入団したものの、1年後にはクリーブランド・キャバリアーズへ放出されてしまう。
確かにカーは機敏ではなかったし、ポイントガードとしてはプレーメイキングのセンスに乏しかった。それでもシュート力だけは本物で、2年目には早くも3ポイント成功率50.7%でリーグトップとなる。
「クレイグ・ホッジスやジョン・パクソン、ジェフ・ホーナセックらを参考にした。みな僕と同じくらいのサイズで成功していたからね。彼らのプレーを研究することで、より良い選手になれたんだ」
もともと優れたシューターだったが、それに甘んじることなく、個人的にチップ・エンゲランド(デューク大やフィリピンで活躍した名シューター。現スパーズ・アシスタントコーチ)をコーチとして雇い、さらに腕に磨きをかけた。
それでも、体格と身体能力のハンディキャップ――身長は191㎝あったがダンクはできなかった――を埋めるのは難しかった。オーランド・マジックへトレードされた92-93シーズンには、平均得点が2.6まで下降。「いつリーグから消えてもおかしくなかった」と自らも認めるような状況だった。(後編へ続く)
文●出野哲也
※『ダンクシュート』2013年3月号掲載原稿に加筆・修正
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