専門5誌オリジナル情報満載のスポーツ総合サイト

  • サッカーダイジェスト
  • WORLD SOCCER DIGEST
  • スマッシュ
  • DUNK SHOT
  • Slugger
NBA

球宴の人気低下の打開策として様々な改革を断行するNBA。新方式を採用する今年は興奮を取り戻せるか?【NBAオールスター全史|2010~19年】

出野哲也

2020.02.15

18年からは両カンファレンスの最多得票者が選手を指名するドラフト方式を採用。昨年に続き今年もアデトクンボ(左)とレブロン(右)がキャプテンを務める。(C)Getty Images

18年からは両カンファレンスの最多得票者が選手を指名するドラフト方式を採用。昨年に続き今年もアデトクンボ(左)とレブロン(右)がキャプテンを務める。(C)Getty Images

 そしてついに18年には、対戦方式そのものにメスが入った。東西カンファレンスの対抗戦ではなく、東西のファン投票最多得票者をキャプテンに任命し、彼らがカンファレンスの枠を越えてチームメイトを選ぶピックアップゲームスタイルに変更された。ただこれも、キャプテンが誰を選ぶかという楽しみは生まれた(19年以降はテレビ中継も開始した)ものの、肝心のゲーム内容は、多少真剣味が増した程度で大して代わり映えせず、19年のテレビ視聴率はとうとう史上最低まで低下してしまった。

 そこで今年はさらにフォーマットが見直され、第4クォーターは時間無制限、第3Q終了時点でリードしていたチームの得点に24点をプラスした「ターゲット・スコア」に先に到達したチームの勝利となる。背番号24だったコビー・ブライアント追悼の意味を込めてということだが、何だか視聴率が低迷しているためテコ入れを重ねたあげく、残っていた視聴者からも見放されたテレビ番組に似てきたようにも思える。
 
 この新方式が意外に受け入れられる可能性もなくはない。だらだらと時間の経過を待つのではなく、目標となる得点を設定することで真剣勝負を促そうという意図も理解できる。しかしながら、いくら小手先の改革をしたところで、選手たちに「オールスターが名誉であり、晴れの舞台である」という意識がなければエキシビション以上のものにはならない。オールスターが以前のような興奮と刺激に満ちたイベントとして甦る日は来るのだろうか。

文●出野哲也

※『ダンクシュート』2017年4月号掲載原稿に加筆・修正。

【名場面PHOTO】ジョーダン最後のオールスター、コビー81得点、カーターの豪快ダンク……1999-2019 NBA名場面集
 
NEXT
PAGE

RECOMMENDオススメ情報

MAGAZINE雑誌最新号