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【NBAデュオ列伝】ストックトン&マローンーー歴史に名を刻んだ最強デュオが、最後に見せた涙|前編

出野哲也

2020.06.10

 3年間バックアップを務め、1987-88シーズンから先発ポイントガード(PG)に定着したストックトンは、当時のNBA新記録となる1128アシストをマークし、平均でも13.8本で初のタイトルを手にする。同じ年、マローンもリーグ5位の平均27.7点をあげ、リーグを代表するスーパースターの仲間入りを果たした。

 1992、96年には、かつて果たせなかったオリンピックにも出場。1993年に地元ソルトレイクシティで行われたオールスターでは、マローンが28得点、ストックトンが15アシストを記録し、2人揃ってMVPに輝いた。
 
 ストックトンは史上9回しか達成していない年間1000アシストを7回も記録している。1995年2月1日にはマジック・ジョンソン(元ロサンゼルス・レイカーズ)を抜いて通算アシスト数のトップに立ち、次の年にはスティールでも歴代1位となった。マローンも得点王にこそなれなかったが、毎年得点ランキングの上位に食い込んだ。

 ストックトンはキャリア19年間でフル出場が17回、マローンはジャズで過ごした18シーズンで欠場はわずか10試合のみ。2人とも常に最高のコンディションを維持し、故障とは無縁だったことも、記録を伸ばす要因となった。

 プレー以外でも親密さは増していく。共同で自動車販売の会社を始め、互いに子供たちの名付け親にもなった。“ストックトン・トゥ・マローン”という言葉は、ひとつの単語であるかのような響きを帯びていた。(後編に続く)

文●出野哲也

※『ダンクシュート』2003年12月号掲載原稿に加筆・修正。

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