専門5誌オリジナル情報満載のスポーツ総合サイト

  • サッカーダイジェスト
  • WORLD SOCCER DIGEST
  • スマッシュ
  • DUNK SHOT
  • Slugger
NBA

「自分は少し遅すぎた」セルビアの天才パサー、テオドシッチが導き出した“欧州選手がNBAに挑戦するベストタイミング”とは?

小川由紀子

2020.07.06

 誰もが、天才的なクラッチプレーヤーによる狙い澄ました一撃だと絶賛したが、「あの時ガルバホサを抜くだけの力は残っていなかった。運良く抜けてもフィニッシュまでは無理だと思ったから、よりシンプルな方法を選んだ。ダメ元で打ったが入ってよかった」というのが彼のコメントだった。

 そんな性格的にも掴みどころのないところがあるテオドシッチは、インタビューにも滅多に応じない。入団間もない頃、リバースHCも「ミロシュについてはまだよく把握できていない」と話していたが、「ただ、彼は試合終盤になるとアグレッシブさを増していく。私はそんなプレーヤーが好きだ。それに彼はオリンピックや世界選手権、ユーロバスケットなどで多くの修羅場をくぐり抜けてきている。コート上の彼のプレーを見ると、いかにこれまで数々のビッグゲームを体験してきたかがわかる」とプレーの質は高く評価していた。

 NBA2シーズン目は、 本人いわく足底筋膜炎は癒えていたが、パトリック・ベバリーやルーキーのシェイ・ギルジャス・アレキサンダーを筆頭に多くのガード陣がロースターに名を連ねた中で、プレータイムも限られた。
 
 出場した試合でも1年目のようなキレは薄れ、開幕直後の11月の時点でセルビアのメディアに、「トライしてみて、NBAがどんなものかわかった。そして、自分にはヨーロッパでプレーする方が楽しいとわかった。だから今シーズン中か、終わった後にはヨーロッパに戻る」とコメントしている。

 リバースHCはシーズン中の放出はないと断言し、プレーオフも見据えて、経験豊富な彼を戦力として必要としていると強調した。しかし、結局はレギュラーシーズン15試合に出場したのみで、テオドシッチは2月に退団。プレーオフを待たず、わずか1年半でNBAに別れを告げたのだった。

 短命に終わったテオドシッチのNBA挑戦について、メディアでは、三十路を迎えていた年齢や、ケガがちだったこと、もとよりスピードやパワーが劣るために本人も限界を感じていた、といった諸説が論じられた。
 

DAZNなら「プロ野球」「Jリーグ」「CL」「F1」「WTAツアー」が見放題!充実のコンテンツを確認できる1か月無料体験はこちらから

NEXT
PAGE

RECOMMENDオススメ情報

MAGAZINE雑誌最新号