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NBA

「自分は少し遅すぎた」セルビアの天才パサー、テオドシッチが導き出した“欧州選手がNBAに挑戦するベストタイミング”とは?

小川由紀子

2020.07.06

 本人はのちにインタビューで、25歳でサクラメント・キングス入りした同国の後輩ボグダン・ボグダノビッチを例に挙げ、「ヨーロッパですでにある程度のキャリアを築き、自信も備わっていることがとても重要になる。ボグダンのように24、25歳頃に挑戦するのが理想的だと思う」と語っている。

「自分は少し遅すぎた。ただ、後々『やっておけばよかった』と後悔したくなかった。NBAがどんなところか、実際に自分で見てみたかった。どのように機能しているのか、選手たちはどういった練習をして、どんなバスケットボールをやっているのか。実際それはヨーロッパとは完全に別物で、プレーしているバスケットボールはまったく違うものだった。それを実際に体験できたのは、素晴らしい経験だったよ」

 1年目でNBAの味を知った後の2年目は、年齢やコンディション、夏に控えたW杯も考慮して、ペースダウンを意識していたとも話している(結果的に足底筋膜炎を再発してW杯は欠場となってしまったが…)。
 
 現在、33歳となったテオドシッチはイタリアの古豪ボローニャでプレーを続けている。ボローニャはこれまで15回の国内リーグ優勝を誇るが、2000-01シーズンを最後に近年はトロフィーから遠ざかっていた。

 しかし今シーズンはテオドシッチの加入が効いて開幕から怒涛の10連勝。新型コロナウイルスの影響でリーグが打ち切りになる前は、単独首位で19年ぶりのタイトル獲得が現実味を帯びていた。

 TOP16終了時点で中断となったユーロカップ(ユーロリーグのアンダーカテゴリー)でもテオドシッチはリーグ1位の平均17.8点でチームをベスト8に牽引し、レギュラーシーズンのMVPに選出されている。

 敵のサポーターも思わず息を飲む彼の芸術的なパスワークは、NBAファンをもうならせた。それは彗星のように現われては一瞬にして消えてしまったが、人々に驚きと感動を与え、そして何より本人にとっても、悔いのないキャリアの一片となっている。

文●小川由紀子

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