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NBA

“永遠の悪ガキ”チャールズ・バークレー。84年五輪メンバー落選を巡る裏話【NBAレジェンド列伝・前編】

出野哲也

2020.08.06

 シクサーズは2シーズン前に優勝したばかりで、アービング、モーゼス・マローン、アンドリュー・トニーらスターの中のスターが揃っていた。トレーニングキャンプでは、さすがの肝っ玉男バークレーも緊張したという。

「ドクターJ(アービング)を何て呼べばいいか考えたよ。“ミスター・アービング”、それとも“ジュリアス”? 迷っていたら向こうから“ドク”と呼んでくれと言われたんだ」。

 同年シクサーズに入団したウッドは「初めの頃はチャールズも謙虚に振る舞っていた」と言うが、長くは続かなかった。「チームミーティングで“もっと俺にボールを回すべきだ”と言い出した時は思わず下を向いたよ。普通、ああいう場では新入りはおとなしくしているものだからね」。
 
 それでもバークレーには、そう主張するだけの自信が備わっており、数字が実力を裏付けていた。82試合にフル出場し、平均14点、8.6リバウンドでオールルーキー1stチームに選出。喜怒哀楽を前面に出すプレーぶりも、敵味方を問わずファンの関心を惹いた。

 さらに彼の注目度を高めたのは、天才的なトークの上手さだった。ただの喋り好きではなく、内容がウィットに富み、適度に毒がまぶされ、常に本音で話すので、議論の的になるネタにも事欠かなかった。これではメディアが放っておくわけがない。

「マスコミは嘘ばかり書く有害な連中。俺は注目の的になんかなりたくない」と本人は言っていて、実際に多くの舌禍事件を起こしていたため本心だったのかもしれないが、周囲はそうは受け止めなかった。(後編へ続く)

文●出野哲也

※『ダンクシュート』2012年10月号掲載原稿に加筆・修正。

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