専門5誌オリジナル情報満載のスポーツ総合サイト

  • サッカーダイジェスト
  • WORLD SOCCER DIGEST
  • スマッシュ
  • DUNK SHOT
  • Slugger
NBA

【プレーオフ激闘録】泥臭くも魅力的なニックスが、ニューヨークを熱く燃やした1994年の夏|前編

大井成義

2020.08.20

ライリーはレイカーズ時代と真逆の守備的戦術でニックスを頂上決戦に導いた。(C)Getty Images

ライリーはレイカーズ時代と真逆の守備的戦術でニックスを頂上決戦に導いた。(C)Getty Images

 そしてセンターに大黒柱ユーイング。数少ないニックス生え抜きの選手であり、フランチャイズの明暗は彼の双肩にかかっていた。大きな期待を一身に浴びながら、ニックスに入団し早9年。30歳を超えてようやく巡ってきたビッグチャンスに、人生のすべてを賭ける意気込みで臨んだ。

 シックスマンは、頭のネジが少々緩んでいるアンソニー・メイソン。街ですれ違ったら、そんじょそこらの本職ギャングも尻尾を巻いて逃げるレベルのいかつさである。だが、風貌に似合わず器用で繊細な面もあり、剛柔兼ね備えた魅力的な選手だった。

 HCはリーグ随一のカリスマ性とダンディズムを誇るパット・ライリー。1980年代に“ショータイム・レイカーズ”を率い、9シーズンで7度のファイナル進出と4度の優勝を飾った若き名将である。華麗なレイカーズ時代とは打って変わって、ディフェンス重視のゴリゴリのチームに仕立て上げ、わずか3年でファイナルの舞台へと導いてみせた。
 
 一方のロケッツは、PGに曲者ケニー・スミス、SGはリーグきってのハイテンパー、ヴァーノン・マックスウェル。SFにプロ2年目の新鋭ロバート・オリー、PFは縁の下の力持ちオーティス・ソープ。そしてセンターに、このシーズンのMVPにして2年連続オールNBA1stチームのリーグNo.1センター、オラジュワン。シックスマンには、ルーキーながらチーム一の強心臓を誇るサム・キャセール。

 1993-94レギュラーシーズンにおいて、相手チームに許した得点の平均が、ニックスはイースト最少の91.5点(リーグダントツ1位)、ロケッツはウエスト2位の96.8点。ディフェンシブで重々しいバトルが予想された。(後編に続く)

文●大井成義

※『ダンクシュート』2020年6月号掲載原稿に加筆・修正。

【PHOTO】スタークス、オラジュワン、ペニー、ピッペン…NBA史に残る偉大なレジェンドたち!

DAZNなら「プロ野球」「Jリーグ」「CL」「F1」「WTAツアー」が見放題!充実のコンテンツを確認できる1か月無料体験はこちらから

NEXT
PAGE

RECOMMENDオススメ情報

MAGAZINE雑誌最新号