もしも2人がニックス以外のチームでプレーしていたら……。ユーイングはメディアの巨大な重圧にさらされることもなく、優れたセンターとして正当に評価されていただろう。ニックスに入団したのは、彼にとって最大の不幸だったかもしれない。
逆にスタークスは、ニックスにいたからこそカルト的な人気を得ることができた。実際、ニックス以外のチームで彼は大した成績を収めていない。それは全盛期をニックスで過ごしたからだけでなく、ニューヨークの街が彼の闘争心を呼び起こし、実力以上のプレーを引き出したからでもあった。
現在、ユーイングは母校ジョージタウン大でHCを務め、スタークスはニックスのフロントでファンサービスやOBたちとの連絡を取り持つサポートをしている。だが、スタークスは現場に戻りたいという気持ちを捨ててはいない。
「ハーブ(ウィリアムズ/元ニックスHC)やパトリックとは、引退してからも連絡を取り合っていた。いつか3人でニックスのコーチング・スタッフになれたらな、と話していたんだよ」
その夢が叶うかどうかはわからない。けれども、ニックスが優勝する時は、1994年のあの日に辛酸をなめたユーイングとスタークスに美酒を味わわせてあげたい――ニックスのファンなら、誰もがそう望んでいるはずだ。
文●出野哲也
※『ダンクシュート』2005年9月号掲載原稿に加筆・修正。
【PHOTO】オラジュワン、ジョーダン、バークレー、ペニー……NBAの歴史を彩った偉大なレジェンド特集!
逆にスタークスは、ニックスにいたからこそカルト的な人気を得ることができた。実際、ニックス以外のチームで彼は大した成績を収めていない。それは全盛期をニックスで過ごしたからだけでなく、ニューヨークの街が彼の闘争心を呼び起こし、実力以上のプレーを引き出したからでもあった。
現在、ユーイングは母校ジョージタウン大でHCを務め、スタークスはニックスのフロントでファンサービスやOBたちとの連絡を取り持つサポートをしている。だが、スタークスは現場に戻りたいという気持ちを捨ててはいない。
「ハーブ(ウィリアムズ/元ニックスHC)やパトリックとは、引退してからも連絡を取り合っていた。いつか3人でニックスのコーチング・スタッフになれたらな、と話していたんだよ」
その夢が叶うかどうかはわからない。けれども、ニックスが優勝する時は、1994年のあの日に辛酸をなめたユーイングとスタークスに美酒を味わわせてあげたい――ニックスのファンなら、誰もがそう望んでいるはずだ。
文●出野哲也
※『ダンクシュート』2005年9月号掲載原稿に加筆・修正。
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