専門5誌オリジナル情報満載のスポーツ総合サイト

  • サッカーダイジェスト
  • WORLD SOCCER DIGEST
  • スマッシュ
  • DUNK SHOT
  • Slugger
NBA

1994年ファイナルに敗れて以降、徐々に衰退したユーイングとスタークス。そして訪れたあまりにも悲しい末路【NBAデュオ列伝・後編】

出野哲也

2020.10.07

 もしも2人がニックス以外のチームでプレーしていたら……。ユーイングはメディアの巨大な重圧にさらされることもなく、優れたセンターとして正当に評価されていただろう。ニックスに入団したのは、彼にとって最大の不幸だったかもしれない。

 逆にスタークスは、ニックスにいたからこそカルト的な人気を得ることができた。実際、ニックス以外のチームで彼は大した成績を収めていない。それは全盛期をニックスで過ごしたからだけでなく、ニューヨークの街が彼の闘争心を呼び起こし、実力以上のプレーを引き出したからでもあった。
 
 現在、ユーイングは母校ジョージタウン大でHCを務め、スタークスはニックスのフロントでファンサービスやOBたちとの連絡を取り持つサポートをしている。だが、スタークスは現場に戻りたいという気持ちを捨ててはいない。

「ハーブ(ウィリアムズ/元ニックスHC)やパトリックとは、引退してからも連絡を取り合っていた。いつか3人でニックスのコーチング・スタッフになれたらな、と話していたんだよ」

 その夢が叶うかどうかはわからない。けれども、ニックスが優勝する時は、1994年のあの日に辛酸をなめたユーイングとスタークスに美酒を味わわせてあげたい――ニックスのファンなら、誰もがそう望んでいるはずだ。

文●出野哲也

※『ダンクシュート』2005年9月号掲載原稿に加筆・修正。

【PHOTO】オラジュワン、ジョーダン、バークレー、ペニー……NBAの歴史を彩った偉大なレジェンド特集!
NEXT
PAGE

RECOMMENDオススメ情報

MAGAZINE雑誌最新号