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NBA

ABAvsNBA――1970年代に勃発した2つのライバルリーグによる“仁義なき新人争奪戦”

出野哲也

2020.11.20

 もはやNBAもABAの影響力を無視できなくなっていたが、ABAの経営状態は当初から苦戦続きで、多くの球団が生まれては消滅していた。ドラフトにも様々な工夫を凝らし、73年には大学4年生部門、3年生以下の部門など、カテゴリー別に4回もドラフトを実施。74年は通常の新人ドラフト以外に、NBAの現役選手を指名する〝NBA選手ドラフト〞なる謎の試みもあった。

 しかし前述したように、経営難により75-76シーズンを最後にABAは消滅。翌シーズンからペイサーズなど4球団がNBAに合流し、残る球団は解散。所属する選手たちは分散ドラフトでNBAの各球団に散っていった。こうして、ABAとNBAの9年間にわたる新人獲得を巡る争いは幕を下ろしたのだった。
 
■ABAドラフト全体1位指名選手
年 選手 指名チーム 入団チーム(リーグ/ドラフト順位) 
1967 ジミー・ウォーカー インディアナ・ペイサーズ ピストンズ(NBA/1巡目1位) 1968 エルビン・ヘイズ ヒューストン・マーベリックス ロケッツ(NBA/1巡目1位) 1969 ルー・アルシンダー* ニューヨーク・ネッツ バックス(NBA/1巡目1位) 
1970 ボブ・レイニアー ニューヨーク・ネッツ ピストンズ(NBA/1巡目1位)
1971 ジム・マクダニエルズ ダラス・シャパラルズ カロライナ・クーガーズ(ABA) 
1972 ボブ・マッカドゥー ヴァージニア・スクワイアーズ ブレーブス**(NBA/1巡目2位) 
1973 ドワイト・ラマー サンディエゴ・コンキスタドールズ コンキスタドールズ(ABA) 1974 トム・マクミラン ヴァージニア・スクワイアーズ ブレーブス**(NBA/1巡目9位) 1975 マービン・ウェブスター デンバー・ナゲッツ ナゲッツ(ABA)

ドラフト外で直接ABAのチームに入団した主な殿堂入り選手
入団チーム NBAドラフト(指名チーム) 
1967 ルーイ・ダンピアー ケンタッキー・カーネルズ 
1967年4巡目38位(ロイヤルズ***) 
1969 スペンサー・ヘイウッド デンバー・ロケッツ 
1971年2巡目30位(ブレーブス**) 
1970 ダン・イッセル ケンタッキー・カーネルズ 
1970年8巡目122位(ピストンズ) 
1971 ジュリアス・アービング ヴァージニア・スクワイアーズ 1972年1巡目12位(バックス) 
1971 アーティス・ギルモア ケンタッキー・カーネルズ 1971年7巡目117位(ブルズ) 1971 ジョージ・マッギニス インディアナ・ペイサーズ 1973年2巡目22位(シクサーズ)
1972 ジョージ・ガービン ヴァージニア・スクワイアーズ 1974年3巡目40位(サンズ)
1974 モーゼス・マローン ユタ・スターズ 
***=現キングス

文●出野哲也

※『ダンクシュート』2018年3月号掲載原稿に加筆・修正

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