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NBA

グリフィン、ヤング、ヒールドと現役選手はみな実力者。優勝未経験ながらも強豪校として名を馳せるオクラホマ大の歴史【名門カレッジ史】

出野哲也

2021.01.01

 1988年はステイシー・キング、ハービー・グラント、ムーキー・ブレイロックらが活躍し、トーナメント決勝まで平均17点差と相手を圧倒し続けた。ところが同じビッグ8カンファレンス所属で、レギュラーシーズンでは2戦2勝だったカンザス大に惜敗。優勝の最大のチャンスを逃してしまった。

 このチームは、優勝できなかったなかでは最強チームのひとつとしてトーナメント史に刻まれている。ブルズに入団したキングは控えパワーフォワード(PF)として1991~93年の3連覇を経験。このときの先発PFが、グラントの双子の兄ホーレスだった。

 兄ほどではなくとも、ハービーも1991~93年にワシントン・ブレッツ(現ウィザーズ)で3シーズン連続平均18点以上とまずまずの働きを披露。息子のジェレミー(デトロイト・ピストンズ)とジェアリン(ウィザーズ)もNBA選手として活躍中だ。

 3人のうちNBAで一番大成したのはブレイロックで、アトランタ・ホークスのポイントガードとして1997、98年に2年続けてスティール王を獲得。通算でもアシストとスティールはオクラホマ大出身者で最多である。

 1990年は第1シードで大会に臨むも2回戦敗退。1992年以降は5回続けて初戦で姿を消した。久しぶりの快進撃だったのは2002年で、NBA入りした選手は不在でも、14年ぶりにファイナル4に進出。近いところでは2016年、元ホークスHCのロン・クルーガーの下で準々決勝までたどり着いたが、優勝校のビラノバ大に44点差の大敗を喫した。
 
 現役NBA選手のOBは3人しかいないが、みな実力者である。2016年のメンバーで平均25.0点をマークしていたバディ・ヒールド(キングス)は、プロの舞台でもシューターとしての実力を発揮し、2018-19シーズンには平均20.7点を記録した。

 現時点で唯一のドラフト1位指名選手であるブレイク・グリフィンは、ロサンゼルス・クリッパーズに入団しルーキーイヤーは故障により全休するも、2年目の2011年に平均22.5点、12.1リバウンドをあげ新人王を受賞。豪快なダンクを次から次に繰り出して人気を博し、オールスターのスラムダンク・コンテストでも車越えダンクを披露し王者となった。オールスター選出6回はすでにオクラホマ大OBで最多。通算得点もケガさえなければ今季中にアダムズを超えそうだ。

 そしてもう1人がトレイ・ヤングだ。1年生だった2017-18シーズンに全米最多の平均27.4点をあげ、ステフィン・カリー(ウォリアーズ)二世とも呼ばれた天才シューターは、2018年のドラフト5位でダラス・マーベリックスが指名し、ルカ・ドンチッチとのトレードでホークスへ移籍。昨季はリーグ4位の平均29.6点を叩き出し、今季も開幕から得点王も夢ではないペースで点を取りまくっている。将来的にはこのヤングこそ、オクラホマ大OBで最高の選手と言われるようになるのかもしれない。

文●出野哲也

※『ダンクシュート』2019年1月号掲載原稿に加筆・修正。

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