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NBA

「ケビンがいなけりゃ…」悪童バークレーとグッドガイKJ、真逆な2人の確かな絆【NBAデュオ列伝|前編】<DUNKSHOOT>

出野哲也

2021.06.14

 広いコートビジョンと、小柄ながらも爆発的な得点力を兼ね備えたKJは、マジック・ジョンソン(元ロサンゼルス・レイカーズ)の後継者として“ネクスト・マジック”と呼ばれ、たちまちフェニックスの人気選手となった。バークレーもチームメイトになる以前、自著で「リーグ屈指のポイントガードはどこにもいない。ヤツは最高の暗殺者だ」と評している。

 また、KJは人間的にも素晴らしかった。敬虔なキリスト教信者にして、エマーソンやソローの著作を手にする読書家。サインを求められれば笑顔で応対し、恵まれない人々に気前よく寄付をする。

「あなたに息子がいれば、ケビンのように成長してほしいと願うでしょう。娘をお持ちなら、ケビンのような人と結婚してほしいと思うでしょうね」
 
 サンズの当時のヘッドコーチ、コットン・フィッツシモンズの夫人は、このような喩えでKJの人間性を称賛した。

 しかし、そうした面は“ソフトすぎる”という評判にもつながっていた。KJのプレーが実際にソフトであったかどうかは別として、優れたビッグマンを欠くサンズの戦いぶりには、確かにそのような印象があった。1992年のプレーオフ、カンファレンス準決勝で敗れた時、アシスタントコーチのライオネル・ホリンズは言ったものである。

「ウチにはチャールズ・バークレーのような選手が必要なんだ」

 そして、その言葉が現実になる日が来た。(後編に続く)

文●出野哲也

※『ダンクシュート』2004年8月号掲載原稿に加筆・修正。

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