専門5誌オリジナル情報満載のスポーツ総合サイト

  • サッカーダイジェスト
  • WORLD SOCCER DIGEST
  • スマッシュ
  • DUNK SHOT
  • Slugger
NBA

コビー&シャック——最高のデュオにして最大のライバルが生んだ醜聞やトラブル、そして栄光【NBAデュオ列伝|前編】

出野哲也

2022.02.10

■信頼性に大きな問題を抱えるも、一度コートに立てば最強の2人

 こうした栄光も、残念ながら2人の間に平和をもたらすことはなかった。それどころか、彼らの関係性は悪化の一途を辿っていく。

 翌2000-01シーズンは、2人の対立が最高潮に達した。「僕は上達を続けているのに、どうしていつまでも押さえつけられなければならないんだ」とコビーはシャックがいつまでも攻撃の中心であることに不満を募らせ、「シャックと共存できないなら、このチームを出て行くがいい」とジャクソンに言われる始末。シャックも上層部にトレードを直訴するなど、とても王者とは思えないまとまりのなさを露呈した。
 
「シャックもコビーも高給をもらっていて、優勝もしたし、素晴らしい街でプレーしているのに。どこに文句を言う必要があるんだ?」

 チームメイトのブライアン・ショウの疑問は、そのままファンの声でもあった。

 こんな最悪のチーム状況でも、一旦プレーオフに入ると、シーズンのゴタゴタが嘘のように15勝1敗の快進撃で、あっさり2連覇を達成。シャック&コビーが持てる力を発揮すれば、彼らに敵うチームはなかった。

 さらに2001-02シーズンも危なげなく3連覇。3年連続のファイナルMVPを成し遂げたシャックが「ヤツはリーグで最高の選手だ」とコビーを讃えたかと思えば、そのコビーも自分を抑えたプレーで「彼は人間的に成長した」とジャクソンの評価を勝ち取った。長年の諍いも過去のものとなり、いよいよレイカーズ王朝は安泰かに見えた。(後編へ続く)

文●出野哲也
※『ダンクシュート』2007年7月号原稿に加筆・修正

【PHOTO】日米識者10人が厳選!ジョーダン、コビーらNBA最強スコアラーTOP10をお届け!
NEXT
PAGE

RECOMMENDオススメ情報

MAGAZINE雑誌最新号