ロシアの人々の多くも、同じようにこの戦争を強く非難しているだろうが“攻撃している側”に立たされる彼らの立場は辛い。
とりわけ今シーズンは、レギュラーシーズンが残り10試合ほどとなった現時点で、プレーオフに進出できる上位8位以内に3クラブ(CSKAモスクワ、ゼニト・サンクトペテルブルク、UNICS カザン)を送り込むという、ロシア勢にとっては近年でも際立った活躍の年だった。
また、選手たちの離脱も相次いでいる。
CSKAからはすでに、2012年のドラフトでNBA入りしたジョージア人フォワード、トルニケ・シェンゲリア(元ブルックリン・ネッツ)をはじめ少なくとも4人が離脱。そのなかの1人、デンマーク人ガードのガブリエル・ルンドベリは「家族の安全のためにデンマークに戻る。早くまた元の生活に戻ってほしい」と、「#SayNoToWar」 のハッシュタグ付きでツイートしている。
そのほか、ゼニト・サンクトペテルブルクからは、スモールフォワードのミンダウガス・クズミンスカス(元ニューヨーク・ニックス)ら、リトアニア人選手2人が離脱。2019-20シーズンにはワシントン・ウィザーズで八村塁とも共闘しているポイントガードのシャバズ・ネイピアーも、負傷で欠場中だったこともあり、すでにアメリカへ帰国の途についているという。シーズン途中の離脱は本来であれば契約違反だが、CSKAは「各選手の個人的な状況を理解し、契約については情勢が正常化した時点で解決する」と、ひとまず保留にする方針だ。
選手たちは、それぞれのエージェントやユーロリーグ選手会、ユーロリーグ、FIBAと今後について話し合っていくとのことだが、選手会の会長は、真っ先にウクライナへの支援を表明し、CSKAからの離脱を決行したシェンゲリア。彼の祖国ジョージアも、旧ソ連構成国。ウクライナとは親しい関係にある。
選手会は「大会の継続に関するいかなる決定も、選手、コーチ、クラブ関係者、審判員の安全を絶対的に最優先に考えて行なわれることを強く求め、状況が進展するなか、選手個人および団体に最大限のサポートを提供する」という主旨の声明を発表している。
以前取材で訪れたウクライナの首都キエフは、素晴らしい建築物が立ち並ぶ広々とした美しい街で、地元の人たちは素朴でおっとりしていて治安もよく(ついでに美人も多く)、信じられないくらいに居心地のいいところだった。そんな彼らの穏やかな暮らしが脅かされているこの悪夢のような戦争が、一寸でも早く終わることを強く願う。
文●小川由紀子
【PHOTO】NBA最強の選手は誰だ?識者8人が選んだ21世紀の「ベストプレーヤートップ10」を厳選ショットで紹介!
とりわけ今シーズンは、レギュラーシーズンが残り10試合ほどとなった現時点で、プレーオフに進出できる上位8位以内に3クラブ(CSKAモスクワ、ゼニト・サンクトペテルブルク、UNICS カザン)を送り込むという、ロシア勢にとっては近年でも際立った活躍の年だった。
また、選手たちの離脱も相次いでいる。
CSKAからはすでに、2012年のドラフトでNBA入りしたジョージア人フォワード、トルニケ・シェンゲリア(元ブルックリン・ネッツ)をはじめ少なくとも4人が離脱。そのなかの1人、デンマーク人ガードのガブリエル・ルンドベリは「家族の安全のためにデンマークに戻る。早くまた元の生活に戻ってほしい」と、「#SayNoToWar」 のハッシュタグ付きでツイートしている。
そのほか、ゼニト・サンクトペテルブルクからは、スモールフォワードのミンダウガス・クズミンスカス(元ニューヨーク・ニックス)ら、リトアニア人選手2人が離脱。2019-20シーズンにはワシントン・ウィザーズで八村塁とも共闘しているポイントガードのシャバズ・ネイピアーも、負傷で欠場中だったこともあり、すでにアメリカへ帰国の途についているという。シーズン途中の離脱は本来であれば契約違反だが、CSKAは「各選手の個人的な状況を理解し、契約については情勢が正常化した時点で解決する」と、ひとまず保留にする方針だ。
選手たちは、それぞれのエージェントやユーロリーグ選手会、ユーロリーグ、FIBAと今後について話し合っていくとのことだが、選手会の会長は、真っ先にウクライナへの支援を表明し、CSKAからの離脱を決行したシェンゲリア。彼の祖国ジョージアも、旧ソ連構成国。ウクライナとは親しい関係にある。
選手会は「大会の継続に関するいかなる決定も、選手、コーチ、クラブ関係者、審判員の安全を絶対的に最優先に考えて行なわれることを強く求め、状況が進展するなか、選手個人および団体に最大限のサポートを提供する」という主旨の声明を発表している。
以前取材で訪れたウクライナの首都キエフは、素晴らしい建築物が立ち並ぶ広々とした美しい街で、地元の人たちは素朴でおっとりしていて治安もよく(ついでに美人も多く)、信じられないくらいに居心地のいいところだった。そんな彼らの穏やかな暮らしが脅かされているこの悪夢のような戦争が、一寸でも早く終わることを強く願う。
文●小川由紀子
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