レインビアとロッドマンを″デュオ″として括ることに、違和感を覚える人もいるかもしれない。どちらも基本的にはリバウンドとディフェンスが中心の選手であり、例えばジョン・ストックトン&カール・マローンのように、お互いのプレースタイルが有機的に結びついていたわけではない。
また彼らは、どんな意味でも友人同士とは言えなかった。レインビアはチームメイトですら煙たい存在だったし、内向的な性格のロッドマンはそれほど多くの友人を作るタイプではなかった。ロッドマンの回想によれば、「同じロッカールームにいても、レインビアと視線が合ったことは一度もなかった」というほどの冷めた関係だった。
だが、プロフェッショナルの世界では仲良し集団である必要はどこにもない。ロッカールームでどれだけいがみ合おうと、コートの上で協力さえできればそれでいい。レインビアとロッドマンの関係がまさにそうだった。尋常でないほどの上昇志向と勝利への執念、そして周囲への評価への反発を活力にして、彼らはピストンズを頂点へ押し上げた。
異端のチームとして一時代を築いた″バッドボーイズ″。その象徴だったロッドマンとレインビアの名は、これからもある種の畏怖をもって語り継がれることだろう。
文●出野哲也
※『ダンクシュート』2007年2月号原稿に加筆・修正
また彼らは、どんな意味でも友人同士とは言えなかった。レインビアはチームメイトですら煙たい存在だったし、内向的な性格のロッドマンはそれほど多くの友人を作るタイプではなかった。ロッドマンの回想によれば、「同じロッカールームにいても、レインビアと視線が合ったことは一度もなかった」というほどの冷めた関係だった。
だが、プロフェッショナルの世界では仲良し集団である必要はどこにもない。ロッカールームでどれだけいがみ合おうと、コートの上で協力さえできればそれでいい。レインビアとロッドマンの関係がまさにそうだった。尋常でないほどの上昇志向と勝利への執念、そして周囲への評価への反発を活力にして、彼らはピストンズを頂点へ押し上げた。
異端のチームとして一時代を築いた″バッドボーイズ″。その象徴だったロッドマンとレインビアの名は、これからもある種の畏怖をもって語り継がれることだろう。
文●出野哲也
※『ダンクシュート』2007年2月号原稿に加筆・修正
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