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NBA

『Jordan Brand』開発陣が語るシューズ制作の裏話「すべての人々に惚れ込んでもらえるように」【佐々木クリスのパリ潜入レポート・前編】

佐々木クリス

2023.07.24

 マーティンに続いて、制作チームから5名が登壇。

『エア ジョーダン38』の開発に関しては、マイケル・ジョーダン(元シカゴ・ブルズほか)がフェイドアウェイジャンパーを繰り出すときのフットワークをワンフレームずつ研究したことや、闘牛をひらりと交わすマタドールのイメージとルカ自身が繰り返すステップバックで重要な“バランス”というキーワードも組み込んでルカモデルをさらに開発してきたこと。

『ザイオン3』は彼の跳躍によるショックを受け止める耐久性と俊敏さを制限しないプロダクトを目指していたところ、「泥の中から這い上がったことを知ってほしい」というザイオン自身の言葉を聞いて、機能性を確保する素材でアッパーを仕上げるというプロダクト開発の醍醐味とも言えるエピソードが飛び出した。
 
 さらに『テイタム1』の開発に至っては、NBAシーズンを戦うなかでテイタムが記録する総出場時間の長さやUSG%(ユーセジレート)の高さに着目し、軽量化と耐久性を併せ持つモデルにしたというのだから、NBAアナリストの耳がダンボみたいに大きくなったのは言わずもがな。

 実際の『テイタム1』も、通年で競技する育成年代の足元を支える耐久性を考慮し、完成を迎えたそうだ。加えて、プロダクトチームがテイタムの動きの滑らかさを表現する方法を考えていたところ、彼自身から「イルカのような動き」というキーワードが飛び出たそうで、これも実に興味深かった。(後編に続く)

文●佐々木クリス
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