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海外サッカー

「レベルはとてつもなく高い」ガビも認める熾烈なポジション争い…バルセロナの中盤を支配するのは誰か――カンテラ組も虎視眈々と

下村正幸

2025.08.20

ガビ(中央)は今のバルサの中盤を「世界屈指」と表現した。(C)Getty Images

ガビ(中央)は今のバルサの中盤を「世界屈指」と表現した。(C)Getty Images

 今シーズンのバルセロナで最も注目すべきポイントの1つが、中盤の選手の起用法だ。ハンジ・フリック監督は誰をレギュラーの座に据えるのか、良質の人材が豊富に揃うだけに興味は尽きない。

 スペイン大手スポーツ紙『AS』のフアン・ヒメネス記者が、その中でただ1人不動のレギュラーとして位置づけるのがペドリだ。パートナーはフレンキー・デ・ヨングが第一候補。「後方でバランスを取りながら、ペドリのプレーに上手く適応でき、補完性が高い。チームをしっかりと支えた」と昨シーズン後半戦の働きを評価する。

 一方、昨シーズンの前半戦でその役割を担ったマルク・カサドは、今夏の売却候補の1人と報じられていたように序列が低下。控えからのスタートとなるが、「終始高いインテンシティーを持ってプレーする。泥臭い仕事を進んでこなし、ペドリの良さをさらに引き立たせた」とヒメネス記者は称賛する。対応力の高さを再び見せたいところだ。

 左膝前十字靭帯断裂の大怪我からの復帰を目指すマルク・ベルナルも、低い序列からのスタートとなる。医療スタッフからはすでにプレー許可が下りているが、フリック監督はコンディションと相談しながら、慎重に起用する方針だ。ヒメネス記者はベルナルについて、「高精度の左足キック、ピッチを俯瞰するような視野の広さに加え、今回のリハビリ中に培った強靭さを増したフィジカル」を注目点に挙げる。
 
 中盤3枚の最後の一角となるトップ下のポジションを争うのは、ダニ・オルモとフェルミン・ロペスだ。フリージャーナリストのアルベル・ブラジャ氏は、ゴール前の密集地帯でも緩急を使い分けたプレーができる点に着目し、純粋な実力ではダニ・オルモが上と評価する。しかし、開幕節のマジョルカ戦ではプレシーズンに好調ぶりをアピールしたフェルミンがスタメンを勝ち取った。

 ここに割って入ってくるのが、同じく好調なプレシーズンを過ごした実力者のガビだ。彼の長所の1つが、中盤の3ポジションすべてをこなせるユーティリティー性。シャビ前政権時代には、プレッシングの強度を買われ、左ウイングとしても起用された。プレシーズンのヴィッセル神戸戦では、ボールを捌く技術の高さを武器にペドリとダブルボランチを形成し、好パフォーマンスを披露した。

 ガビは昨シーズン、10月に故障から復帰した後も、スタメン出場の機会が限られていた。熾烈を極めるポジション争いについて、「バルサは世界屈指の中盤を有している。そんな中で、僕の強みは複数のポジションでプレーできることだ。競争は激しく、素晴らしい選手がたくさんいる。レギュラーの座を勝ち取るのは簡単ではない。レベルはとてつもなく高い」と語っている。さらにはプレシーズン期間中に話題をさらった17歳の“ドロ”(ペドロ・フェルナンデス)とギジェ・フェルナンデスのカンテラ組も虎視眈々とチャンスを窺っている。

 これだけ人材が豊富であれば、ダニ・オルモやフェルミンをファルソ・ヌエベ(偽9番)で起用し、中盤を厚くするオプションも浮上してくるだろう。また、フリック監督はメンバーを固定して戦うタイプの監督だが、選手もベンチ生活が続けば不満分子になるリスクがある。指揮官の采配に注目だ。

文●下村正幸

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