現地時間８月19日に行なわれたコパ・スダメリカーナの決勝トーナメント１回戦、ブラジルのフルミネンセはコロンビアのアメリカ・デ・カリを２-０で勝利した。このマラカンでの一戦で、GKファビオが通算1391試合目の試合出場を果たして世界新記録を樹立した。

　本名をファビオ・デイブソン・ロペス・マシエウという44歳の守護神は、1997年にプロデビューし、これまでウニオン・バンデイランテ、アトレチコ・パラナエンセ、ヴァスコ、クルゼイロ、そしてフルミネンセと、キャリアの全てをブラジル国内で過ごしてきた。その中でクルゼイロでは公式戦976試合、ヴァスコで150試合に出場し、フルミネンセではこの記念の一戦で235試合目を迎えていた。
  　フルミネンセには2022年に加入し、翌年には決勝でボカを破ってコパ・リベルタドーレスを制覇。今夏はクラブワールドカップで６試合全てに先発出場し、ベスト４入りに再三の好守で大きく貢献した。またイタリアの偉大な守護神ジャンルイジ・ブッフォンを抜き、通算507回目のクリーンシートという新記録を打ち立てた。同クラブとは５月に2026年12月まで契約を延長しており、少なくともそのキャリアは46歳までは継続される予定だ。

　歴史に名を刻むこととなったファビオは、「人生に関わる全ての人々に感謝したい。父、母、姉妹、友人、そして妻。自分は良い人間であろうと努力している。重要なのは、チームメイトを助けること。感謝の気持ちでいっぱいだが、神様なしでは、何も可能ではなかっただろう」とコメント。一方、クラブはこの試合で彼が着用したGKユニホームに「1391」と「彼はブラジルで最高のGKだ」という言葉が刻まれた特別なパッチを付けて、その偉業を称えた（ブラジルの総合メディア『Globo』より）。

『Globo』は、彼のここまでの長いキャリアにおける、「ブラジル・セリエAにおける最年長出場（44歳10か月17日）」「フルミネンセでの公式戦最年長出場（44歳10か月20日）」「フルミネンセでの最年長タイトル獲得（43歳４か月30日）」「リベルタドーレス最年長優勝（43歳１か月５日）」「クルゼイロ史上最多出場（976試合）」といった大記録を紹介し、その偉大さを強調した。

　ファビオは同メディアのインタビューで、ここまでの歩みを振り返り、自身にとっての「最も重要な試合」には、前述のリベルタドーレス決勝ボカ戦（２-１）の他、クルゼイロ時代（2013年）に全国制覇を決めたヴィトリア戦（３-１）、そしてブラジルU-17代表で正GKとして世界一に輝いた1997年U-17世界選手権決勝のガーナ戦（２-１）を挙げている。

　また、「これまで見てきた最高のGKは誰か？」という問いには、オランダのエドウィン・ファン・デル・サルの他、自国のエウトンとジダと回答し、「最も頼れるDFの相棒」はマウロ・ガウボン、チアゴ・シウバ、デデ、そして「対戦して最も手強かったFW」はロマーリオ、フレッジ、ロナウジーニョ。この人選からも、いかにそのキャリアが長きにわたったものかが窺えるだろう。